リコーがテレビ会議市場で真っ向勝負――OA機器最大手はなぜUC事業に参入するのか?

OA機器最大手のリコーがユニファイドコミュニケーション市場に参入する。独自コンセプトの新製品とクラウドサービス、そして強大な販売力を武器に、既存のテレビ会議/Web会議ベンダーに真っ向勝負を挑むという。

誰でも使える「テレビ会議」を追求

新製品は、「ポータブルタイプ」と「会議室設置タイプ」の2機種。後者は一般的なテレビ会議システムと同様のものだが、注目すべきは「ポータブルタイプ」だ。その名の通り、持ち運べるテレビ会議端末である。

正式発表前であるため、製品概観や詳細な仕様は紹介できないが、中村氏の説明によれば、次のようなものになる。ノートPC程度の大きさの筐体にカメラ・マイク・スピーカーと、有線・無線LAN通信、映像出力機能などを備える。これを、プロジェクタやディスプレイのある場所に持ち運んでコードを繋げば、即座にテレビ会議が行えるという。

電源を入れるとインターネットを介してクラウドサービス基盤にアクセスし、ID認証を行う。登録されている接続先が画面に表示され、それを指定するだけで使える。USBでPCをつなげば、PC画面に表示した資料も共有できるという。

なお、同時接続数は最大20拠点までサポートする。もちろん、高価な多地点接続装置(MCU)は不要だ。

「とにかく簡単さ、使いやすさを追求した」と中村氏は話す。IPアドレスではなく、クラウドサービスのIDを使って簡単に接続できる「M2M通信制御技術」を開発。これにより、場所やネットワークの制約を受けず、誰でも使える簡便さを実現する。

また、映像コーデックには最新規格「H.264/SVC」を採用した。一般的なテレビ会議で採用されているH.264/AVCとは異なる規格で、ネットワークの帯域変動に合わせて、送受信する映像データの解像度やフレームレートを自動制御するのが特徴だ。帯域変動の激しいインターネット、無線LANを利用する場合に、映像の乱れや途切れを抑制できる。

月刊テレコミュニケーション2011年4月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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