1.2.3 経営に求められるソーシャルテクノロジー
このような企業内外の環境変化に対して、経営も変化していく必要があると考えられます。
顧客に最も近い部分では、マーケティングや顧客対応をどのように変化させるのか。一方、企業内部で情報提供・情報共有の仕組みをどのように構築するのか。言うなれば、ビジネス全体を俯瞰して、「経営と社員」「社員同士」「社員と顧客」「経営と顧客」、各々の関係性の中でどのようなコミュニケーションを何のためにどうやって実現するかの舵取りが求められます。
企業組織においてコミュニケーションは、人で言えば、身体組織を協調動作させる“神経系”の役割を果たしています。仮に、社員同士もしくは社員と顧客がソーシャルテクノロジーを使ってコミュニケーションしている時に、経営がそれに全く注意を払っていなかったとしたらどうなるでしょう。そこには、情報の偏在や断絶が発生し、有効な意思決定が不可能になるかもしれません。
「ソーシャルテクノロジーをどのようにビジネスで活用していくか」という命題は、取りも直さず、企業組織に張り巡らされた神経系の組み替えにつながる“経営課題”と言えます。言うなれば「次世代の経営」をどうするか、経営によるコミットメントが求められる命題と言えるでしょう。
(連載目次はこちら)
■Nexti運営メンバー有志(著) Amazonでのご購入はこちらから |