1回のログインで全口座の取引 ブラウザ版でソフトの課題を解決パソコンバンキングを利用する企業は、ANSER-SPCサービスとファイル伝送サービスの利用が一般的な使い方だが、全銀ベーシック手順およびTCP/IP手順が2023年12月にサポートを終了するのに合わせて、ANSER-SPCもサービスを終了する。このパソコンサービスと同等のサービスをインターネット経由で実現するのが、NTTデータの「VALUX(SPC/全銀ファイル伝送)」だ。
VALUXは、NTTデータが発行する電子証明書でVALUXに対応した金融機関とのセキュアな取引を可能にするサービス。「インターネット上で電話交換機に接続先を切り替える役目を果たします」とNTTデータ 第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 e-ビジネス営業統括部 e-ビジネス商品企画営業担当 主任の上山勝己氏は説明する。
従来のパソコンバンキングでは、PCに専用ソフトをインストールして利用する方式となっているが、ライセンス数に応じ費用が発生すること、専用ソフトをインストールした端末でしか利用できないこと等、様々な課題があった。また、コロナ禍でも出社しなければならずテレワークの阻害要因の1つでもあった。NTTデータは、こうした課題を解決するため企業に対し、VALUXをWebサービスで利用できる「BizHawkEye」の提供を開始し、INSからの移行にあわせた切り替えを推奨している。
「BizHawkEye」はマルチバンク対応で、画面上では複数口座の管理が一覧表示される
BizHawkEyeはマルチバンク対応で、画面上では複数口座の管理が一覧表示されるので、振込や振替などの各種取引が同じ画面で完結する。また、クラウドサービスのため1契約で100ユーザーまで利用することができ、ユーザー毎の権限管理やワークフローが行えるのが特徴だ。また、サービス利用時や送金処理の認証には、VALUXで用いられているクライアント証明書に加えて、トランザクション認証を採用。取引を元に生成された二次元コードを専用ハードトークンで読み込むことで、取引内容の改ざんを検知し、ユーザー端末の乗っ取りやなりすましを防止する。
さらに、ソフトウェアにつきもののバージョンアップなどメンテナンス作業の煩わしさからも解放される。
「これまでも『ソフトウェアは面倒も多くテレワークの対応が難しい。改善したい』という声が多く聞かれていました」とNTTデータ 第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 e-ビジネス営業統括部 e-ビジネス商品企画営業担当 主任の早野翔氏。INSネットの終了を大きな契機として、BizHawkEyeへの移行を促していきたいという。
(右から)NTTデータ 第四金融事業本部 e-ビジネス事業部 e-ビジネス営業統括部 e-ビジネス商品企画営業担当 課長の篠原伸彦氏、同主任の上山勝己氏、早野翔氏
企業と金融機関の決済業務では、NTTデータのソリューションがデファクトスタンダートとなっていた。INSネット以降もその流れが続くことになりそうだ。
<お問い合わせ先>
株式会社NTTデータ
第四金融事業本部e-ビジネス事業部
e-ビジネス商品企画営業担当(上山・早野)
・AnserDATAPORTについて https://www.adp.ne.jp/contact/
・BizHawkEyeについて https://www.bizhawkeye.ne.jp/contact/