トレンドマイクロは7月29日、GIGAスクールにおける1人1台端末のセキュリティ意識を明らかにする「GIGAスクールにおけるセキュリティ実態調査2021」の結果を発表した。対象者は小学校1年生~中学校3年生の子どもがいる保護者342人と、小・中学校の教員331人の計673人で、調査はWebアンケート方式で実施された。
GIGAスクール構想によって1人1台の端末を活用した学習が推進されるなか、2021年6月末時点で、子どもが学校から端末を受け取ったと回答した保護者は41.2%、教員は70.7%と、端末が未だ行き届いていない状況が分かった。一方で、子どもが端末を受け取ったと回答した保護者(調査対象の保護者342人のうち141人)に子どもの端末利用におけるトラブル経験を聞いたところ、約2割(141人のうち31人)が既に何らかのトラブルを経験していた。
GIGAスクール構想で配備された1人1台端末の利用において、子どもがサイバー犯罪やネット利用等に関するトラブルを経験したと回答したのは、保護者では22.0%、教員の38.5%となった。
教員の回答から、主なトラブル内容は「学習以外の用途での端末利用(ゲームや動画視聴など)」が12.8%、「フィッシング詐欺など不正サイトへの接続」が12.0%、「アカウント(IDとパスワード)情報を盗まれる・悪用される(アカウント乗っ取り、不正アクセスの被害者となる)」が11.1%、「アカウント(IDとパスワード)情報を盗む・悪用する(アカウント乗っ取り、不正アクセスの加害者となる)」が11.1%と続く。
保護者への質問:「GIGAスクール構想」で配備された1人1台端末の利用において、あなたの子どもは次のような経験をしたことはありますか?(複数回答) [n=141※1] (クリックで拡大)
教員への質問:「GIGAスクール構想」で配備された1人1台端末の利用において、あなたの児童生徒は次のような経験をしたことはありますか?(複数回答)[n=234※2] (クリックで拡大)
また、保護者の58.9%、教員の29.9%が、子どもが受け取った端末に、危険を回避するための設定やツール等の技術的対策が施されているか理解していないことが分った。トレンドマイクロは、保護者と教員は子どもが利用している端末に、どのような対策が施されているのか理解した上で子どもを教育することが大切だとしている。
保護者への質問:子どもが受け取った「GIGAスクール構想」で配備された1人1台端末について、どのような技術的対策が施されていますか?(複数回答) [n=141※1] (クリックで拡大)
教員への質問:児童生徒が受け取った「GIGAスクール構想」で配備された1人1台端末について、どのような技術的対策が施されていますか?(複数回答) [n=234※2] (クリックで拡大)
※1 子どもが学校から1人1台端末を受け取ったと回答した保護者(141人、41.2%)を抽出
※2 子どもが学校から1人1台端末を受け取ったと回答した教員(234人、70.7%)を抽出