攻撃者はどのようにサイバー攻撃を巧妙化させているのか。その一例として「昨年の興味深い変化が、攻撃者がネーム・アンド・シェイム(name and shame)サイトを作成し管理するようになったことだ」と岩間氏は説明した。
ネーム・アンド・シェイムは「名指しと恥さらし」とも訳され、本来は不法な行為をした企業や個人の名前を公開し、社会的制裁を受けさせる。これを攻撃者も用い始めている。「攻撃が成功した標的の組織に、支払いを拒否すればブランドイメージや社会的信用を失墜させるためにサイト上に名前を公表する、と脅迫するために使われている。また、窃取したデータをインターネットに公開するなどと脅迫するようになっている」(岩間氏)
こうした手法は従来、一部の成熟したサイバー攻撃グループのみが用いていたが、アンダーグラウンドでのノウハウの共有が進み、多くのグループが使うようになっている。
「従来はランサムウェアに感染しても、感染した端末を隔離するだけでよいという考え方があった。最近では確実に支払いそうな企業に、例えば内部情報をあらかじめ入手していることを示すなど、支払いやすいストーリーが用意されている。被害額が増えていることは間違いない」と岩間氏。その他にもユーザーの業務時間外に侵入を試みるなど、攻撃は巧妙化する傾向にある。
ランサムウェアは巧妙化している