みずほコーポレート銀行の音声基盤更改プロジェクト――UC実現に向けて運用体制も刷新

みずほコーポレート銀行は今年6月、グローバルの音声基盤を更改した。その重要な目的の1つは、ユニファイドコミュニケーションの展開に向けた運用体制・機能の整備だった。

運用体制を3レイヤに整理

更改後のシステム概要は図表1の通りだ。IPテレフォニーサーバーは引き続きシスコを採用するが、バージョンは3.3から7.1へ大幅に上がった。システム構成上の大きな変更点は、「すべてのリージョンで基本設計を統一したこと」(みずほIR銀行システムグループ共通インフラ事業部第3部の樋口智幸氏)だ。樋口氏によれば、更改前は各リージョンによってサーバー構成などが異なっていたという。

図表1 みずほコーポレート銀行のグローバル音声基盤のシステム構成 [クリックで拡大]
図表1 みずほコーポレート銀行のグローバル音声基盤のシステム構成

全リージョンの基本設計を統一したのは、プロジェクトの目的の1つである運用体制・機能の整備に深く関係している。以前の運用体制は、日本が一括してグローバル全体を見るというもの。しかし、システム更改に伴い、グローバル/リージョン/拠点・オフィスの3つのレイヤに、運用体制を分割・整理することを決めた(図表2)。通常の設定変更などは各リージョンの役割とし、グローバルは全体の品質維持・管理や統制を担う。

図表2 みずほコーポレート銀行のグローバル音声基盤の新しい運用体制
図表2 みずほコーポレート銀行のグローバル音声基盤の新しい運用体制

音声基盤の運用体制をこのように刷新するうえで必要だったのが、システム構成などの共通化だった。今回、運用機能の多くをリージョンに委譲したが、各リージョンごとに基本設計などがバラバラでは、全体の統制がとれなくなるなどの支障が出るからだ。音声品質の監視ツール等も共通化したため、例えば万一の際、欧州リージョンのアドミニストレーターが米州の運用を代行するといったことも可能だという。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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