日立、重要インフラ向けにオンラインサイバー防衛訓練サービス「オンラインNxSeTA」開始

日立製作所は電力や鉄道、産業など重要インフラ向けに、オンラインでサイバー防衛訓練が受講できるサービス「オンラインNxSeTA」の提供を開始した。リモートワーク環境下でサイバー攻撃を受けた際の対応を、自宅やオフィスから、普段業務で使用するコミュニケーションツールを使いながら実践できる。

日立製作所は2021年5月24日、オンラインでサイバー防衛訓練が受講できるサービス「オンラインNxSeTA」の提供を開始した。

同社は、長年培ってきた制御システムに関する知見やシミュレーション技術をもとに、2017年に大みか事業所内にサイバー攻撃に対応するための総合訓練施設「NxSeTA」を開設し、防御トレーニングを提供してきた。これまで電力や鉄道、産業など重要インフラ分野で高度なセキュリティ人材を育成する施設として多くの訓練実績を重ねており、2020年には年間1000人が受講しているという。

今回提供するオンラインNxSeTAは、この施設で行っていたサイバー防衛訓練サービスをオンライン化し、自宅やオフィスなどリモート環境からの受講、訓練参加を可能にしたものとなる。


オンラインNxSeTAの概要

日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット サービスプラットフォーム事業本部 セキュリティイノベーション本部 制御セキュリティ戦略部 部長の石場光朗氏は、オンラインNxSeTA提供の背景をこう説明した。

「新型コロナウイルス感染症によりリモートワークが普及した昨今、従来の集中型の業務形態から在宅勤務による分散型の業務にシフトしてきており、リモート業務を前提としたインシデント対応が必須だ」

さらに、リモート環境におけるインシデント対応の課題について、サービス&プラットフォームビジネスユニット 制御プラットフォーム統括本部 サービス・制御プラットフォームシステム本部 制御セキュリティ設計部 グループリーダー主任技師の小林英二氏は次のように指摘した。

「リモート環境下では、セキュリティインシデントへの意思決定をする対策部門と、プラント監視などを行う現場部門とが、コラボレーションツール等を用いて指示、報告などのコミュニケーションを取ることが多く、スムーズな連携などに課題があった」

リモート環境下でのインシデント対応力を強化

そこでオンラインNxSeTAでは、リモートワークを前提とした業務ワークフローなどを提供する。受講者はWebブラウザからオンラインNxSeTAにログインし、SlackやZoom、電話など普段から業務で使用しているツールで関係各所とコミュニケーションをとりながら、主にサイバー攻撃を受けた際の対応などを訓練する。これにより、リモート環境下におけるインシデント対応能力、組織間の連携強化を支援する。


リモート環境下での組織間連携を強化する

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