新型コロナウイルス感染症の拡大により、私たちの生活は大きく変わった。テレワークが当たり前となり、学校はオンライン授業に切り替わった。外出自粛による巣ごもり需要という新しいトレンドも生まれている。ニューノーマルという時代の中で、大きく市場を伸ばしているのがライブストリーミングサービスである。
ライブストリーミングサービスというと、スポーツやコンサート、eスポーツなどのBtoC向けサービスが頭に浮かぶが、BtoBの世界でも、新たな情報発信手段として注目を集めている。
ライブストリーミングサービスで課題になるのが、遅延をいかに防ぐかである。その解の1つとなるのが、ライムライト・ネットワークス(以下、ライムライト)の「Limelight EdgeFunctions(以下、EdgeFunctions)」である。
ライムライトは世界最大級のグローバルプライベートネットワークを持つ、CDNベンダーである。同社が提供するEdgeFunctionsは、API駆動型のサーバーレスエッジコンピューティングプラットフォームだ。サーバーレスコンピューティングとは、サーバーの構築や保守運用をユーザーが行う必要のない仕組みのこと。またエッジコンピューティングは昨今、ITの世界では注目されている技術で、ネットワークにおける端末機器で上表処理を行ったり、ネットワークにサーバーを分散配置して処理を行う分散処理型のコンピューティング技術である。
EdgeFunctionsを活用することで、同社のグローバルプライベートネットワーク上に配備されている多数のエッジ拠点でコードが自動で展開される。「だからユーザーは最も近いエッジでコードの実行ができるようになり、遅延を最小化できる」とアジア太平洋地域のソリューションエンジニアリング部門のディレクターを務めるチャーリー・トーマス氏は力強く語る。遅延は1秒以下に納めることができるようになるという。
アジア太平洋地域 ソリューションエンジニアリング部門 ディレクター チャーリー・トーマス氏
CDNとエッジコンピューティングの組み合わせが有効な理由なぜ、CDNとエッジコンピューティングの組み合わせが、これからのライブストリーミングにとって有効なソリューションだと言えるのか。例えばベアメタル・アズ・ア・サービスやAWSやGCPなどのクラウドサービスを使う手もある。前者はサーバーのデプロイの場所やアプリケーションスタックなど、ユーザー自身が制御できるため自由度は高いが、負荷も大きく、リクエストに応じたスケーラビリティに即応するのは難しい。後者はリクエストに応じて垂直方向のスケーラビリティは容易だが、リージョンに限定されるので、エンドユーザーの近くでのアプリケーション実行が難しい。
一方のエッジコンピューティングであれば、低遅延のアプリケーションを実現できるほか、水平方向のスケーラビリティにも対応できることに加え、デバイスやユーザーごとに最適なコンテンツを配信するなど、さまざまな仕組みを提供できるようになる。