<特集>ネットワーク未来予想図2021光400/800G時代が幕開け 「1波1Tbps超」も2023年には商用化?

膨れ上がる通信トラフィックをどうさばき切るのか――。データセンター周りではこの戦いに勝利すべく、2021年は400GE光トランシーバーの採用が急増する。さらに800G時代の足音も近づいてきた。

2020年11月、NTTコミュニケーションズが日本で初めてデータセンター相互接続(DCI)に「1波800G」の回線速度を持つ光伝送技術を導入した。1波長で最大800Gbpsの超高速伝送が可能になることで、近距離のメトロDCIで最大33.6Tbpsの容量が実現するという。

この光伝送ソリューションはシエナが2020年3月に製品化したものだ。日本シエナコミュニケーションズ システムエンジニアリング部 ディレクターの瀬戸康一郎氏によれば、ニーズは北米のクラウド事業者を中心に高まっているという。「400ギガイーサネット(GE)の普及をにらんで、400GEを2ch、100GEを8ch運べる800G伝送の導入が始まっている」。

「帯域はある」が前提に動画配信やクラウドゲーミング等のエンタメ領域はもちろん、Web会議、オンライン教育や医療と、今や社会生活・経済の大部分がネットワークに依存する状況の中、トラフィック量の伸びは天井知らずだ。「新しいビジネスモデルの大半がクラウドベースで、帯域がふんだんにある前提で考えられている」と瀬戸氏。5G/IoTが普及し、膨大なデータを食うAIが社会に浸透すれば、さらにこの流れは加速する。

この帯域需要を背景にDC内や隣接DCIでは2021年、100GEから400GEへの移行がいよいよ始まりそうだ。図表1の通り、調査会社のLight Countingは2020年から400GE光トランシーバーの出荷が目に見えて増大すると予測している。2023年には、現在主流の100GEと400GEの販売額が逆転する見込み。また、2022~23年には次世代規格である800GEの普及も始まるとの予測だ。

図表1 400/800GE 光トランシーバーの販売予測

図表1 400/800GE 光トランシーバーの販売予測

800GEはIEEE802.3グループで2025年頃を目処に標準化が進められる。業界団体の動きも活発化しており、2020年4月にはEthernet Technology Consortiumが800GE仕様を公開。シスコシステムズなど8社がプロモーターである「QSFP-DD800MSA」も、800GEをサポートする光トランシーバー仕様を発表した。

2021年は、こうした800GEに関する動向も活発化してくるはずだ。

「QSFP-DD800 MSA」のWebサイト
「QSFP-DD800 MSA」のWebサイト

月刊テレコミュニケーション2021年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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