昨今、集中豪雨や規格外の台風による記録的な大雨が各地で観測されている。
そうしたなかNECネッツエスアイは、自然災害による被害を軽減できる「災害対策サービス」の提供を開始した。IoTの仕組みにより異常を検知することで迅速な対応を実現できる。
災害対策サービスには、①ため池監視、②河川監視、③地すべり監視の3種類がある。
このうちため池監視は、今春より富山県砺波市で導入されている。
ため池に設置した水位で取得したデータの送信には、見通し100㎞の長距離伝送を特徴とするソニーのLPWA規格「ELTRES」を採用。これにより、他のLPWA規格と比べて少ない基地局で広範なエリアをカバーできた。基地局の設置はソニーが行うため、ネットワークの構築・運用コストも抑えられた。
水位データは、NECネッツエスアイの「Symphonictプラットフォーム」にリアルタイムに集約し可視化される。
水位は過去の一定期間も含めた形でグラフ表示されるので、急激に雨量が増えていないかを一目で把握できる。また、あらかじめ設定した警戒水位や危険水位に近付いた場合、管理者にメールで通知も届く。「経験の有無に関係なく、危険な状態かどうかを的確に判断することができます」とNECネッツエスアイ ビジネスデザイン統括本部 デジタルタウン推進本部の坂田花氏は話す。
NECネッツエスアイ ビジネスデザイン統括本部 デジタルタウン推進本部 坂田花氏
すでに防災情報システムを導入している場合には、Symphonictプラットフォームと連携し、水位データをシステムに取り込むことも可能だ。
見守りや設備監視ソリューションもSymphonictプラットフォームは、大きくサービスイネーブラー群とコネクティビティ群で構成される。
コネクティビティ群では、ELTRESをはじめとするLPWA、MVNOサービスの「ネッツワイヤレス」、固定回線の中から、用途に合わせて最適な通信規格を選ぶことができる。将来的にはローカル5Gにも対応予定だ。
図表 Symphonictプラットフォームの概要
サービスイネーブラー群では、「貯める」「見せる」「取り出す」というデータにまつわる一連の機能を提供している。音声やビデオ、メール、SMSなどのコミュニケーションツール、AIや解析、位置情報といった拡張機能も備える。
NECネッツエスアイは、災害対策をはじめ、生産性向上や業務効率化、住みやすい街づくりなど、社会課題解決の基盤としてSymphonictプラットフォームを位置付けている。
災害対策以外では、児童や高齢者の見守り、設備監視などのソリューションがあり、ニーズに合わせて今後も増やしていく予定。Symphonictプラットフォームを通じて、社会課題の解決に貢献したいという。
<お問い合わせ先>
NECネッツエスアイ株式会社
ビジネスデザイン統括本部
デジタルタウン推進本部
E-Mail:eltres-sales@ml.nesic.com
TEL:03-4582-2950