このコンソーシアムの目的は、5Gを社会の隅々に浸透させていくこと――。
2020年9月24日にオンライン形式で開催された設立総会で、発起人である東京大学大学院 工学系研究科 電気系工学専攻 教授の森川博之氏はそう話した。
オンライン形式で実施した設立総会で座長に選任された
東京大学大学院の森川博之教授
今回立ち上げられた「5G利活用型社会デザイン推進コンソーシアム」は、5Gを活用したサービス市場の創出を促進するのが目的だ。JEITAの会員に限らず「あらゆる産業界の事業者・自治体が参加できる」。設立時で133の企業・団体が正会員として参加。賛助会員を含めた151企業・団体が集まり、10月から活動をスタートさせる。
同コンソーシアムでは、5Gを利用する企業や地方自治体などのユーザー、ネットワークやクラウド/アプリケーション提供事業者、通信機器等を提供するハードウェアメーカーなど、多様なステークホルダーが一堂に介してコミュニケーションを取る機会を提供することで、企業間の共創を促進。さらに、国・地方自治体等との政策連携も進めるという。また、5G/ローカル5G等の高度情報通信技術とデジタル技術を活用したサービスに関する検討や普及啓発、市場把握に資する活動を推進するとした。
ユーザーからサプライヤーまで多様なプレイヤーが集まる場を提供する
特に「ユーザー視点」を重視しており、5Gビジネスを社会浸透させていくための活動に注力するという。設立総会において座長に選任された森川氏は、「5Gは通信事業者が与えてくれるものではない。皆で作っていかないといけない。そのような場を作りながら、このコンソーシアムを5G市場を広げていくきっかけになる場にしていければ」と抱負を述べた。
具体的な活動としては、社会環境と5Gの普及状況に合わせて必要な取り組みを展開していく。まずは5G普及の初期段階の活動として、「ユースケースの多角的視点による考察」「ユーザー向け解説コンテンツ」の作成などに注力。その後、導入期、成長期とフェーズに合わせて活動内容を変化させていく方針を示した。