セキュリティ界の「Netflix」が日本上陸 動画と演習で“人”をファイアウォール化

セキュリティ意識向上トレーニングの米KnowBe4が日本市場に参入する。動画コンテンツを軸にした「新しい学び方」を大きな特徴とする同社。日本法人代表に就任した根岸正人氏は、「我々のミッションはヒューマンファイアウォールを形成していくこと」と説明したうえで「Netflixのような会社になりたい」と述べた。

セキュリティ意識向上トレーニングとフィッシング攻撃のシミュレーションを統合的に提供するKnowBe4(ノウ・ビーフォー)は2020年2月27日、日本法人の設立に合わせて、記者説明会を開催した。

10年前に米国で創業した同社の顧客数は3万1000社超。ガートナーのマジッククアドラントでは、3年連続でセキュリティ意識向上トレーニングのリーダーと評価されている。また、昨日発表されたばかりのフォレスターリサーチの調査でも、セキュリティ意識向上トレーニングのリーダーに認定されたという。

「だから、疑うことなく、セキュリティ意識向上トレーニングとフィッシング攻撃のシミュレーションを組み合わせた“新しい学び方”を、世界で最も提供している企業と言える」。米KnowBe4 上席副社長インターナショナル統括のマシュー・マクナルティ氏はこう説明した。

米KnowBe4 上席副社長インターナショナル統括 マシュー・マクナルティ氏
米KnowBe4 上席副社長インターナショナル統括 マシュー・マクナルティ氏

第5世代のセキュリティ意識向上トレーニングセキュリティ意識向上トレーニングの歴史は長いが、KnowBe4 Japan 日本代表マネージングディレクターに就任した根岸正人氏によれば、同社の提供する「新しい学び方(New School)」は5世代目になるという。

KnowBe4 Japan 日本代表マネージングディレクター 根岸正人氏
KnowBe4 Japan 日本代表マネージングディレクター 根岸正人氏

KnowBe4の特徴はまず前述の通り、セキュリティ意識向上トレーニングとサイバー攻撃の擬似演習を統合提供していること。

ランサムウェア攻撃、スピアフィッシング攻撃など、数多くのテンプレートとランディングページを用意しており、本番さながらのメール攻撃演習が行えるという。さらにUSBメモリーや音声によるソーシャルエンジニアリングの演習も可能になっている。

また、演習結果に基づいたリスクスコアの可視化・分析に注力している点も特徴とのこと。フィッシング詐欺ヒット率の推移などを分析できるだけではなく、セキュリティ意識の高い部門トップ10を表示したり、トレーニング修了者にバッジを渡すなど、従業員のやる気を高める機能も用意している。

5世代目に突入したセキュリティ意識向上トレーニング
5世代目に突入したセキュリティ意識向上トレーニング

マクナルティ氏が「我々の最も重要な要素」としたのは、世界最大規模を目指しているというコンテンツライブラリーである。

映画さながらの動画による教育コンテンツを充実させており、「Netflixのような会社になりたいと考えている」と根岸氏は語った。実際、コンテンツプロバイダー系の企業を6社も買収したという。

現在の教育コンテンツ数は1000以上で、このうち日本語化されているのは現時点で128コンテンツ。日本独自のコンテンツ制作も今後行っていきたいという。

動画でセキュリティ教育
日本語化されているコンテンツの一例。34か国語をサポートしているという

「古くはパワーポイントで教育を行っていたが、新しい学び方はすべて動画になる。経営には、動画のパワーとセンスが必要な時代だ」(根岸氏)

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