トヨタとNTTが「つながるクルマ」の中間報告 日本から世界へ技術発信

コネクティッドカー向けビッグデータ基盤の研究開発に共同で取り組むトヨタ自動車とNTTグループが、その成果の中間報告を行った。クルマ業界と通信業界のリーディングカンパニー2社の力を合わせ、日本がモビリティ社会をリードしていきたいという。

「我々が共同で行っているのは、コネクティッドカーが今後普及したのち、新しいサービスを実現するための骨組みとなる技術開発。ここまで真剣に取り組んでいる企業・団体は他にはないのではないか、という自負はある」

コネクティッドカー向けICT基盤の研究開発で協業すると2017年3月に発表したトヨタ自動車とNTTグループは12月5日、その進捗状況を報告する説明会を共同で開催した。

その席上、NTTデータ 製造ITイノベーション事業本部 第一製造事業部 部長の古賀篤氏はこう自信を見せた。

(左から)トヨタ自動車 ITS・コネクテッド統括部 主査 村田賢一氏と、 NTTデータ 製造ITイノベーション事業本部 第一製造事業部 部長 古賀篤氏
(左から)トヨタ自動車 ITS・コネクテッド統括部 主査 村田賢一氏と、
NTTデータ 製造ITイノベーション事業本部 第一製造事業部 部長 古賀篤氏

トヨタとNTTグループが共同で取り組むのは、コネクティッドカーの中でも、クルマが生成するビッグデータの活用を支えるICT基盤に関する研究開発だ。

「クルマが生成するデータをどう活用するのか。当然ライドシェアやテレマティクス保険などモビリティに関する様々なサービスに活用できるが、それだけにとどまらず、外のデータと組み合わせることによって、社会のセンサーとしての役割も果たせる。事故や渋滞のない安全な移動や災害被害の軽減など、多様なユースケースが考えられるが、そのインフラをどうするかというのがテーマ」とトヨタ自動車 ITS・コネクテッド統括部 主査の村田賢一氏は説明した。

クルマが生成するビッグデータには様々な可能性があるという
クルマが生成するビッグデータには様々な可能性があるという

コネクティッドカーが生成するデータ量は、他のIoTデバイスと比較して格段に大きく、将来的には「EB(エクサバイト)を超える、天文学的な数字になる」(村田氏)。1テラバイトの1000倍が1ペタバイト、そして1ペタバイトの1000倍が1エクサバイトである。

この超大規模なビッグデータをどうやって処理していくかが、技術面での大きなチャレンジになる。

1台当たりのデータ量が極めて多く、しかも今後急速にコネクティッドカーの台数も増えていく
1台当たりのデータ量が極めて多く、しかも今後急速にコネクティッドカーの台数も増えていく

また、常に高速移動していること、位置に応じたデータの収集・処理とリアルタイム通知が求められることなども、コネクティッドカーならではの課題だという。

トヨタとNTTグループは、これらの課題解決に必要な要素技術の開発やその実証実験に取り組んでおり、今回の説明会では2018年度に行った実証実験を中心に進捗状況が報告された。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。