国内初、次世代無線LAN「Wi-Fi 6」のサービスへ――Wi2がフリーWi-Fiのフィールドテスト

KDDI系のWi-Fiサービス事業者、ワイヤー・アンド・ワイヤレス(Wi2)が、次世代無線LAN規格「IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)」のサービス展開に向けて、国内初となるフリーWi-Fiサービスの実店舗環境でのフィールドテストを、9月25日から開始した。

Wi-Fi 6は、現行の11ac(Wi-Fi 5)によるWi-Fiサービスの1.5倍の高速化が可能と言われており、これから増加が見込まれている、大容量通信によるネットワークの負担を高速化とパフォーマンスの向上で対応し、多くのユーザーによる同時多数接続にもストレスのない高速ワイヤレス通信を可能にするものとして期待されている。

今回のフィールドテストは、Wi-Fi 6の導入に向けて、同時接続が多い実店舗の環境において1人当たりのスループットを向上する技術を検証するのが狙い。Wi2は、Wi-Fi 6の導入によって、「お客様体感品質」向上を実現したいとしており、1人ひとりのユーザーがスループットや認証完了までの時間などを「体感品質基準」として定義し、その基準をクリアすることで、実サービスに踏み切りたいとしている。

フィールドテストは、東京音楽大学の中目黒・代官山キャンパスにある「DEAN & DELUCAカフェ」で、Wi-Fiベンター大手のラッカスネットワークスと共同で行われる。報道陣に公開された実験では、11acと11axの両方を搭載している発売されたばかりのGalaxy S10とiPhone 11を使った接続テストで、11acがダウンリンク110~150Mbps幅なのに対し、11axで150~220Mbps幅のスコアを記録した。

フィールドテストが実施されるDEAN & DELUCAカフェ 東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパス
フィールドテストが実施されるDEAN & DELUCAカフェ 東京音楽大学 中目黒・代官山キャンパス

ラッカスネットワークス 事業開発部の小宮博美テクニカルディレクターは、接続デバイス合計のトータルパフォーマンスで約3倍、デバイス単位のパフォーマンスで約1.5倍の違いが出ているという。今後、ピーク時に3桁を超える同時多数接続でもレスポンス低下が起きないこと、1人当たりのスループットが低下しないことを実現するため、ビームフォーミングを利用したRuckus BeamFlex+をはじめとした技術の活用でテストを重ね、成果を出していきたいという。

11acの平均ダウンロード110~150Mbpsに対し、11ax(Wi-Fi 6)は150~220Mbpsを記録
11acの平均ダウンロード110~150Mbpsに対し、11ax(Wi-Fi 6)は150~220Mbpsを記録

Wi2 サービス開発担当の江川正取締役は、フィールドテストの結果を踏まえ、2020年から事業展開を始める予定という。すでにWi-Fiサービスを展開しているエリアのなかで特に駅やスタジアム、キャンパスなど密度の高いところを中心にアクセスポイントを投入していく。

また、第1世代の11n/g/bなどのWi-Fiアクセスポイントでサービスを行っているエリアオーナーにも高速化の要望が高いことから、Wi-Fi 6への更新を進めていく予定だという。

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