米Zoomが日本法人を設立。中堅中小企業も重要な顧客

米Zoom Video Communications(以下、Zoom)は2019年7月11日、日本法人「ZVC JAPAN」の設立を発表した。現在の社員数は23人。法人登記は2018年11月にすでに完了しており、日本での事業拡大に必要なファンクションが揃ったため、今回の発表に至ったという。

Zoomの創業者兼CEOのエリック・ユアン氏は、同社のビデオミーティングソリューションを活用し、海外からのライブ中継でZVC JAPAN設立の経緯を説明した。ユアン氏は米Webexの創設者兼技術者兼技術部門副社長や、米シスコシステムズの技術部門の副社長などの経歴を持つ。

スクリーン上のユアン氏の背景には富士山ともみじが映し出された。Zoomのソリューションが備える「バーチャルバックグラウンド」機能を利用していたためだ。この機能によって、ビデオミーティング参加者は自分がいる場所を映し出さずに済み、プライバシーを守ることなどができるという。

Zoom 創業者兼CEOのエリック・ユアン氏
Zoom 創業者兼CEOのエリック・ユアン氏

「日本は(Zoomのビジネスが)アジアのなかで最も成長している国」とユアン氏は話した。日本のユーザー数はアジア市場で最も急速に増えており、同社のWebサイトへのアクセストラフィックも米国に次いで世界で2番目に大きいという。ZVC JAPANの設立によって、日本市場でのビジネスを加速させる狙いだ。

日本のユーザー数はアジア市場で最も急速に伸びているという
日本のユーザー数はアジア市場で最も急速に伸びているという

日本でビジネスが成長している要因としてユアン氏は、Zoomの本拠地であり、最初に事業を展開した地域でもある北米の企業が日本企業とビデオミーティングを行う際、以前からZoomのソリューションを頻繁に利用していたことを挙げる。

Zoomを利用した日本企業の従業員がその使いやすさを高く評価し、自分たちもそれを使うためにZoomのWebサイト上で無料登録を行ったこと。また、インターネットなどの口コミによって多くの人にZoomのソリューションの良い評判が伝わったことで、日本企業での導入が増えていったという。

ユアン氏は、他社のビデオミーティングソリューションとの比較も行った。ユアン氏によると、従来のビデオミーティングソリューションは20年前に開発されたもので、それが現在まで使われ続けているという。「信じてもらえないかもしれないが、『Cisco Webex』は、1998年に私が書いたコードだ」(ユアン氏)

ZVC JAPANの設立を機に、日本でのマーケティングや販売、サポート活動への投資を増やしていく方針で、「日本での事業拡大には自信がある」と述べた。

また、ユアン氏はZoomのソリューション戦略について、“ベストオブブリード”のプラットフォームにしたいと語った。各分野でそれぞれ最適なソリューションを選定して組み合わせるという。具体的には、米スラックの「Slack」や、米マイクロソフト「Microsoft Teams」などといったコミュニケーションソリューションと組み合わせて使われることを第一に考えていると説明。その上で、「ビデオと音声の分野でナンバーワンプラットフォームを目指す」と表明した。

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