「多くの通信事業者が、ネットワークを仮想化して、サービス導入の迅速化やCAPEX/OPEXの削減を図りたいと望まれているが、仮想化に対するネガティブな見方もまだ少なくない」――。
仮想化ソフトウェアプラットフォーム「Titanium Cloud(タイタニウム クラウド)」を展開するウインドリバーの高田光晴氏は講演で、まず通信事業者/サービスプロバイダーのネットワーク仮想化へのスタンスをこう述べた。
ウインドリバー 営業本部 第一営業部 部長 高田光治氏
通信事業者のネットワーク仮想化への懸念はどこにあるのか。
高田氏が仮想化の大きな課題として挙げたのが信頼性だ。現行の通信ネットワークで実現されている99.999%というサービスアップタイム(使用可能時間)が、仮想環境で本当に実現できるかということだ。
また、仮想化に伴い、新たに発生するリスクを懸念する声も強い。「様々なベンダーが提供するネットワークアプリケーション(VNF)の品質を誰がどうやって保証するのか」「ハードウェアで実現されていた機能を仮想環境に移し替えることで、障害時のデバッグが難しくなるのではないか」といった懸念だが、「データセンターなどで運用されているエンタープライズ用のプラットフォームを流用して、これらの課題をクリアできる仮想環境を実現するのは非常に困難だ」と高田氏は語る。