Skype for Businessの使い勝手を補完製品におけるもう1つのトレンドが、「Microsoft Skype for Business(以下、SfB)」や「Cisco Spark」といったクラウド型のコラボレーションツールとの連携だ。
このうちSfBについては、Office 365の導入をきっかけにWeb会議としての利用を検討する企業が多い。ところが「関心が高い割に、実際に活用しているのはIT企業やITを積極的に活用する企業に限られている」と富士キメラ総研 第二研究開発部門 研究員の花棚洋氏は指摘する。
主な原因として、設定の煩雑さが挙げられる。
SfBによる会議を始めるまでに平均すると8~10分程度かかるため、やがて使わなくなってしまう企業が多いのだという。また、相手の声が聞きづらかったり、画像が見づらいといった使い勝手の問題もある。
これらの課題を解決し、SfBを遠隔会議システムとして使いこなすためには、機能を補完する製品が必要になる。
例えばヤマハのマイクスピーカーシステム「YVC-1000」はマイクとスピーカーが分離しており、スピーカーを内蔵した本体をディスプレイのそばに置くことで、話者の映像と音声の自然な一体感を実現する。今年10月に発売予定の「YVC-1000MS」は、YVC-1000の機能を踏襲しつつ、SfBの認証を取得したマイクロソフト認定モデルだ。
本体上部に「コールボタン」が搭載されており、マウスなどを使わずにボタン1つでSfBの着信や通話終了を行える。また、音質チューニングやマイクミュート連動などの仕様変更により、SfBを使った快適な遠隔会議が可能になる。
「SfBをクライアントとして既存の会議システムと連携する製品は、SIerも今後の成長が期待できる商材として注目している」とVTVジャパン代表取締役の栢野正典氏は話す。
一方、シスコのSparkもテレビ会議などとの接続が可能になったことで、既存の会議システムとの連携ニーズが企業の間で高まっている。
ロジクールのビデオコミュニケーション製品はSfBの認定を取得しているだけでなく、シスコ製品についても認定・動作確認済みだ。このため、「MeetUpとSparkをつなぎたい」という要望も増えているという。