NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は2017年10月5日、プライベートイベント「NTT Communications Forum」を開催、同社の庄司哲也社長が「NTTコミュニケーションズと実現するデジタルトランスフォーメーション」をテーマに基調講演を行った。
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NTTコミュニケーションズの庄司哲也社長 |
NTTコムはデジタルトランスフォーメーションについて、ICTの活用で実現する「ビジネスプロセスの変革」および「ビジネスモデルの創出」」と定義している。
デジタルトランスフォーメーションについて「ビジネスモデル変革」および「ビジネスモデル創出」と定義 |
ICT環境の最適化により企業のデジタルトランスフォーメンションに貢献することを目指しており、今年度は①高品質・高信頼なインフラストラクチャーの追求、②先進的な技術を用いた柔軟・迅速なサービスの開発、③パートナリングの推進の3点を重点項目に位置付ける。
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今年度の重点3項目 |
①については、ネットワークや海底ケーブル、データセンターなどを一元的に構築・提供できる点を強みとする。「デジタル化の時代に、ビジネスの基盤となるインフラサービスの信頼性はますます重要になっている。強靭性も追求していきたい」と庄司社長は語った。
②の先進的技術とは、具体的にはソフトウェアの仮想技術を活用したSDx(Software Defined Everything)とマネージドサービスを組み合わせたSDx+M、人工知能(AI)、IoTを指す。
このうちAI分野の取り組みとしては、NTTグループが提供するAI技術「corevo」のうち、自然言語系の「COTOHA」と分析系の「時系列ディープラーニング」の開発に注力している。
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AIについては「COTOHA」と「時系列ディープラーニング」の開発に注力 |
COTOHAはコンタクトセンターやチャットボットなど顧客接点で活用されている。これに対し、時間の経過とともに変化する複雑なデータを高度に分析し、データの相関関係や傾向を導き出す時系列ディープラーニングは、工場における生産性向上や品質改善に活用されているという。
IoTについては2015年以降サービスのラインナップを強化しており、デバイス、ネットワーク、クラウド、コロケーション、データ収集・分析プラットフォームまでワンストップで提供する体制を構築している。
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IoTはデバイスからプラットフォームまでワンストップで提供する |
③のパートナリングの推進では、日本マイクロソフトやSAPジャパン、グーグル・クラウド・ジャパンなどと協業しており、「NTTコムのソリューションとパートナーの持つ技術やサービスを組み合わせ、BtoBtoX型ビジネスによる新たな価値の創造に取り組んでいきたい」と庄司社長は語った。
日本マイクロソフトとは同日、協業を強化することを発表した。「Microsoft Azure」と「Enterprise Cloud」を組み合わせたハイブリットクラウドPaaSに拡大、これによビッグデータのように秘匿性の高いデータをEnterprise Cloudに蓄積し、暗号化した上でMicrosoft Azureに搭載されたPaaSで分析するといった利用が可能になる。 また、「Microsoft Office 365」と、NTTコムの法人向けレンタルサーバサービス「Bizメール&ウェブビジネス」やインターネット接続サービス「OCN」、SD-WANサービスを組み合わせ、企業の働き方改革を推進する。