スマートフォンなどのモバイルデバイスを安全かつ効率的に利用するためのツールとして、MDM(モバイルデバイス管理)の“進化版”であるEMM(エンタープライズモビリティ管理)が導入されることが多くなってきた。
モバイルアイアン・ジャパン/マクニカネットワークスの講演では、モバイルを本格利用するための要件や、世界1万5000社で利用されているEMM製品「MobileIronプラットフォーム」の日本での導入事例などが紹介された。
まず、企業のモバイルデバイスの活用実態などについて解説したのが、マクニカネットワークスの小田切悠将氏だ。同社が実施した調査によると、モバイルデバイスの業務利用はここ1~2年で大きく進展している。
「スマートフォンの基本機能である『通話・SMS』や『メールの送受信・スケジュールの確認』だけでなく、『ドキュメントの閲覧・編集』や『社内ウェブページ(ポータル)の閲覧』『クラウドサービスアプリの利用』などに広く使われるようになってきた。基幹システムやワークフローと連携するような使い方も珍しくなくなっている」
マクニカネットワークス 営業統括部 アプリケーション営業部 第3課
クラウドモバイルエバンジェリスト 小田切悠将氏
小田切氏はモバイルデバイスの活用範囲が広がっている理由として、時間の有効活用を挙げる。「移動時間にメールを確認して返信したり、ワークフローを開いて承認を得たりすることで、30分早く帰れることになるかもしれない」
また、導入ハードルの低さも大きな理由だ。「コンシューマーデバイスとして日常的に従業員が利用しているため、ユーザー教育が不要で使える」
ただ、小田切氏は「単にスマートフォンを従業員に支給するだけで、生産性向上が図れるわけではない」と述べ、モバイルデバイスを業務で本格的に活用するには5つの要素を満たす必要があると指摘した。