NEC通信システムは2017年6月19日、IoTデータを省電力かつ任意のタイミングで収集できるというシステム「NEC オンデマンド型無線ネットワーク」を発売した。
同システムは、センサ群を接続して920MHz帯の無線ネットワークで通信する「IoTデバイス」、IoTデバイスが収集したデータをサーバに転送する「IoTゲートウェイ」、機器管理を行う「運用保守サーバ」の3つの要素で構成。
IoTデバイスは、起動用の無線信号を受信した時のみ無線通信を行い、通信終了後は再度待機状態になる。要求があった時のみ動作するため、1日数回の通信の場合、内蔵電池の約2年間の連続駆動が可能だという。
「NEC オンデマンド型無線ネットワーク」のシステム構成
また、データ収集を行う移動体の接近を契機に、オンデマンドでデータ収集するといったユースケースにも適している。巡回中の点検者などが対象物に接近にしたのを契機にデータ収集する「ウォークバイ方式」に加えて、時速100kmで移動中もデータ収集できるため、自動車や電車などの接近を契機にデータ収集する「ドライブバイ方式」にも対応できる。
無線通信に使われているのは、Wi-SUN相当の920MHz帯無線で、IoTデバイス間をマルチホップでつなぎ、広範囲のデータを収集することも可能だ。
NEC通信システムでは、同システムのターゲットの一例として、鉄道設備や電力設備などの社会インフラ領域の点検・監視、プロセス工場や組立工場などのファクトリ領域の点検・監視を挙げている。価格は個別見積もり。
「NEC オンデマンド型無線ネットワーク」の構成品一覧