ドコモ「5Gトライアルサイト」が東京スカイツリーで始動――4.5/28GHz帯を活用した超高速通信

NTTドコモと東武鉄道による「5Gトライアルサイト」が、2017年5月22日から東京スカイツリーで始まった。実験では、5G向け周波数帯の候補である「28GHz帯」「4.5GHz帯」を用いたGbpsクラスのデータ通信が実現されたが、超高速モバイルはどのような用途で使えるのか。

28GHz帯で4K対応デバイスの多数接続5Gのユースケースを意識して行われたのが、③新型特急車両「リバティ」内での多端末への映像配信で、4K対応デバイスの多数接続のイメージデモだ。

とうきょうスカイツリー駅の留置線に止められた東武鉄道の新型特急車両「リバティ」の車内に8台のタブレット端末を配置。ドコモの試験車両から5Gで配信される4Kの高精細映像をこれらのタブレット端末で見るというもの。もっともタブレット端末は5Gに対応していないため、5Gの電波を屋外の受信機で受け、有線で接続されたリバティ車内のIEEE802.11ac対応の無線LANルーターを介してタブレット端末を接続する形がとられた。

8台のタブレット端末でスムーズにコンテンツが楽しめる

奥の試験車両から手前の5G試験端末との間は6Gbps以上の通信速度で結ばれている

この実験で用いられた5Gのシステムは「28GHz帯」で、アンテナモジュール1組で理論上は最大10Gbpsのデータ通信が可能。実測でも6Gbps程度スループットが得られている。

タブレットに配信される4K映像の伝送速度は18Mbps、8台でも144Mbpsなので、充分に対応が可能だ。ドコモでは時速150kmでの移動する車両と5Gの通信実験に成功していることから、将来的には電車に5G端末を搭載し、実験と同様、無線LANを介して4K画質の映像サービスを提供できる可能性があると見ている。

ドコモは7月から8月にかけて、「リバティ」で運用されている列車を対象に、車両に搭載されている無線LAN設備を利用して、同社がスマートフォンやタブレット向けに提供している雑誌配信サービス「dマガジン for Biz」、観光パンフレットなどを利用できる「ささっとパンフ」の2つのサービスを提供する。将来の5Gの映像配信サービスを視野に入れた取り組みといえそうだ。

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