「会議」以外へ拡がるビジュアルコミュニケーション活用事例 【Case 4】カリスマ講師も認めた臨場感――テレビ/Web会議が教育事業・社内研修を変革

急速に活用範囲が拡がっているビジュアルコミュニケーションシステム。4回目の今回は、教育サービスの革新に役立てた2つの実例を紹介する。教育業界の人だけでなく、社内研修やパートナー向け説明会の担当者などの参考にもなるはずだ。

従来型教育にはないメリット

このような遠隔教育の仕組みを活用すれば、講師派遣と施設維持にかかるコストを削減し、広範囲にインタラクティブな教育サービスが提供できる。つまりサービスレベルの地域格差が激しい教育業界において、地方のニーズに低コストで応えることができるのだ。生徒側も交通費が節約できて、移動時間を有効に活用できるようになる。

教室集合型セミナーと比べた利点は他にもある。

多人数を集めれば会場も大きくなり、講師の表情や板書は見難く声も伝わり難くなるが、大原学園やネットスクールの例を見れば、遠隔教育のほうがかえって講師を常に近くに感じられることが分かるだろう。受講者が増えても満足度が低下しないという点も看過できないメリットだ。

また、ネットスクールでは、V-CUBEセミナーの録画機能を使い、講義終了後1時間ほどで録画内容をサーバー上に公開している。リアルタイムで受講できなかった生徒も含めて何度でも見直せる。忙しい社会人の生徒からは、この「オンデマンド講義」も大好評という。

このように、双方向コミュニケーションを重視した運用を行うことで、遠隔教育・セミナーの満足度と効果は高くなる。こうした手法は、教育業界のみならず、一般企業が地方に存在する拠点やパートナー企業、あるいは顧客向けに行うセミナーなど、多様な場面に応用できるはずだ。

【Case 1】 現場のモニタリングにNWカメラ活用――「工場見える化システム」で課題共有
【Case 2】 遠隔拠点の同僚と“立ち話”――テレビ会議の常時接続
【Case 3】 テレビ会議で「品質管理」――HD対応なら質感まで遠隔地からチェックOK
【Case 5】 本部の“専門家”を各拠点で共有――Web会議で「遠隔窓口相談」を実現した中国銀行

月刊テレコミュニケーション2010年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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