5G New Radioに対応可能、エリクソンがアンテナ一体型Massive MIMO基地局

世界初の5G New Radio対応AIR 6468がもう1つ大きな訴求ポイントとして打ち出しているのが、BBUへのプラグイン導入によって、5Gの新しい無線技術(5G New Radio、以下5G NR)にも対応可能になることだ。

移動通信システムの標準化団体3GPPは、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)に提案する5G(IMT-2020)の技術仕様の検討を4月から進めている。

エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏によると、3GPPは現在移動通信で使われていない6GHz以上の高い周波数を利用して数Gbpsクラスの高速・大容量通信を可能にするための5G NRと、LTEの進化技術を併せて5Gの無線システムとして提案。5G NRとLTEの進化版の組み合わせ、あるいはそれぞれ単独で利用してもIMT-2020の要件を満たせるようにすることが検討されているという。

エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏
エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏

5G NRの具体的な仕様は固まっていないが、藤岡氏は「LTEで用いられているOFDMAをベースに、サブキャリアの間隔を現行の15kHzの2のn乗倍(30kHz、60kHzなど)にしても利用できるようにする案が有力」と語る。こうしたパラメータの変更により、ミリ波帯などの高い周波数でも安定した通信が可能になる。

エリクソンでは、提供中のBBU「Baseband5216」が「5Gの実証実験で用いられており、5G NRにも十分に対応可能」(藤岡氏)であることから、これと組み合わせて利用できるAIR 6468を「世界初の5G NR無線装置」と位置づけている。

海外では米AT&Tが5Gの無線規格を先取りした固定ブロードバンドサービスを2017年にスタートする計画を打ち出すなど、「プレ5G」と呼べるビジネスが立ち上がり始めている。AIR 6468の投入には、他社に先駆けて「5G NR対応」を打ち出し、5G向けビジネスを優位に進めようという狙いがある。

今回投入される新しいラインナップには、5GHz帯のアンライセンスバンドをLTEで利用するLAA対応の小セル基地局装置「Radio 2205」も含まれている。

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