企業システムのクラウド化が進展しているが、そのほとんどはオンプレミスとパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドだ。また、複数のパブリッククラウドを使い分けるマルチクラウドも増えている。
つまり、企業のネットワーク担当者にとって今、最大のテーマの1つとなっているのが、オンプレミスとクラウド、さらにクラウド間をいかに高品質かつセキュアにつなぐか。当然、運用負荷やコストも抑えなければならない。
こうしたニーズに応えるため、ネットワンシステムズが開始したのが「クラウドHUBサービス」だ。オンプレミスとクラウドをつなぐ「ネットワーク接続点(HUB)」をサービスとして提供するもので、同社 市場開発本部 ソリューション・サービス企画室 シニアマネージャーの横山哲雄氏は「お客様の声から生まれたサービス」と強調した。
クラウドHUBサービスの概要 |
AWSやAzureなどマルチクラウドとの閉域接続に対応クラウドHUBサービスは、様々な機能で構成される予定だが、8月から提供が始まったのは、パブリッククラウドと閉域網接続するための「クラウドコネクタ」だ。現時点では、AWSおよびAzureとの閉域網接続が可能で、今後Office 365やSoftLayerなどにも対応していく計画だという。
マルチクラウド閉域網接続機能の概要 |
AWSやAzureとの閉域網接続を提供するサービスは、通信事業者などから、すでに数多く提供されている。そうした既存サービスと比較した優位性としてまず挙げられたのは、マルチクラウドへの対応だ。「AWS/Azure専有型デュアルコネクト」というプランが用意され、1つのプランでマルチクラウドに接続できる。「AWS用、Azure用と別々に用意する必要はない」(横山氏)。
また、通信事業者のサービスの場合、本社/拠点などのアクセス回線がその通信事業者のものに縛られるケースが多いが、クラウドHUBサービスの場合、アクセス回線をマルチキャリアで選べる点も違い。
クラウドHUBサービスのサービスメニュー。マルチコネクト閉域網接続の機能を利用するには、「内部ネットワーク」と「クラウドコネクタ」の料金が必要 |
ちなみに、クラウドHUBサービスの設備が設置されているのは、エクイニクス・ジャパンの東京データセンター。現在のところ、データセンターと本社・拠点を接続するアクセス回線には専用線しか使えないが、10月にはSD-WANに対応し、インターネットも利用可能になる。