数十万円でできる分身の術どのロボットも、遠隔操作によって走行したり向きを変えられるスタンド部分と、モニタ/カメラ/マイク/スピーカー等を備えた“頭”に相当する部分から成るのは同じだが、DoubleとKubiの2つと、BeamPro/Beam+とAva 500では大きく異なるところがある。後者2つが、スタンド部から頭まですべて一体として設計・製造されているのに対し、DoubleとKubiは頭の部分にiPadを使う。
Doubleは自律的にバランスを取って走行するスタンドに、Kubiは顔振りができるスタンドにiPadを取り付けてBluetoothで接続する。音声・映像通信および操作にはWebRTCを用いており、Webブラウザ(Google ChromeまたはFireFox)やスマートフォン用アプリ(無料)から操作できる。また、KubiにはiPadが取り付けられる標準モデルのほか、Surface Proも取付可能な大型モデルや、盗難防止ワイヤが付いたモデルもある。
このように汎用デバイス/ソフトウェアを用いることで、DoubleとKubiは価格を抑えている。Doubleは当初2500ドル~(付属品を除く標準価格)で販売されていたが、今年1月に、移動速度や安定性等が向上した最新モデル「Double 2」がリリースされたこともあり価格が下落、国内では現在20万円程度から購入できる。なお、藤永氏によればDouble 2は40万円程度という。Kubiは、ヨコブンが8万2944円(標準モデル、税込)で販売している。なお、2機種とも外部スピーカーやマイク、外部バッテリー等の付属品が装着可能だ。
DoubleもKubiもベンダーが運用するサーバーを経由して音声・ビデオ通信、操作を行う仕組みだが、操作用のアプリは無料で、接続にも料金はかからない。基本的には本体とiPadの費用、通信費がかかるだけ。数十万円で“分身”が持てるわけだ。