クラウド時代へ変わる“協業”のかたち――日本マイクロソフトが新パートナー戦略を説明

日本マイクロソフトは2015年11月25日、パートナーとの協業分野の拡大等に関する説明会を開催し、クラウドサービス「Microsoft Azure」「Microsoft Office 365」の拡販に向けたパートナー戦略について説明した。


執行役常務ゼネラルビジネス担当の高橋明宏氏

説明会の冒頭、執行役常務ゼネラルビジネス担当・高橋明宏氏は、パートナーとの新たな協業の必要性について語った。日本マイクロソフトは現在、クラウドを軸とした事業体制へと転換を進めており、それとともに同社のパートナーにもビジネスの“トランスフォーメーション“を促していくための新たなパートナー戦略を推進していくという。「今までのパートナーは、オンプレミスのリセール中心。今後は、新たなパートナーとの共存も必要になり、また既存のパートナー様には、我々と共にトランスフォーメーションを進めていただく」というのが基本的な方針だ。

さらに高橋氏は、「パートナーの定義も変わってくる」と続けた。従来は、顧客企業に対してオンプレミス型の製品やOffice 365などのサービスを提案・販売することが主な活動だったが、今後は顧客企業の業務プロセスや抱える課題を理解しつつ、それぞれに適した形でクラウドを適用してユーザー側の業務を変革していくようなアクションが求められるようになるという。さらに、「我々と一緒に、IoT時代の新たなフレームワークを作っていく」(同氏)役割も期待される。こうした“協業”を広げるため、新たなパートナーエコシステムの構築と拡大に注力していく方針だ。


クラウドパートナーの4区分

具体的な活動方針としては、マイクロソフトのクラウドサービスを取り扱うパートナーを、取り扱い商材やビジネスの形態ごとに4つの区分に分けて取り組むという。上写真に示した「マネージドサービス」「IPサービス」「クラウドインテグレーション」「クラウドリセラー」だ。

高橋氏によれば、このなかでも現在最も高い成長率を示しているのが「マネージドサービス」で、ここ数年間、「コンスタントに50%以上の成長を続けている」という。一方、「IPサービス」はいわゆるISVが中心で、オンプレミス製品の販売をビジネスの主軸としてきたパートナーだ。高橋氏は「このクラウド化がキーポイント」と語り、「クラウドリセラー」とともに、クラウドサービスの販売を主軸としたビジネスへとシフトするパートナーの支援に力を入れていくという。

また、ユーザー企業がオンプレミス型からクラウドへと移行する際にSIサービスの提供や、ハイブリッドクラウド構築によってそれを支援する「クラウドインテグレーション」についても、「最もビジネスの変化が大きい」領域であるとの見方を示した。パートナーのビジネスも、今やオンプレミス型製品だけでは成り立たなくなっており、「商談の80%以上は、何らかのクラウドが絡むようになってきている」という。そこで高まるクラウドインテグレーションの需要に応えるためにも、この領域を手掛けるパートナーの強化は重要になる。


1年間でパートナーを3500社まで拡大する計画

具体的な目標として、日本マイクロソフトは今後1年間でクラウドパートナーを3500社に増やす計画だ。同社はすでに、クラウドビジネスをスタートするのに適した新しいパートナープログラムとして「クラウドパートナープログラム(CSP)」を立ち上げているが、それに加えて新たな施策として、これからクラウドビジネスに取り組もうとするパートナーを支援するための相談窓口を設置(期間限定)、ビジネスモデル立案の支援やパートナープログラムへの案内、各種情報提供を行う専門サイトも公開した。

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