人情の町「葛飾区」のネットワーク大改革!――BCP強化とコスト削減で区民サービス向上へ

東日本大震災をきっかけに、動き出した葛飾区のネットワーク改革――。KDDIのWVSなどを活用し、災害時にも強いネットワークを実現するとともに、年間約2000万円のコスト削減効果も得ている。

インターネット環境の更改で4000万円のコスト削減以前ハウジングで運用してきた公式ホームページのWebサーバーも、インターネット環境と併せて更改した。移転先は前述の通りKCPS。KDDIが提供するクラウド基盤サービスだ。KCPSの仮想環境上にWebサーバーやロードバランサーなどを構築し、公式ホームページを運用している。

KCPSの設定画面
KCPSの設定画面

インターネット接続および公式ホームページの環境をKDDIのサービスにした効果としては、コスト面も注目される。

「まだ試算レベルですが、初期費用とランニング費用を合計すると、5年間で4000万円。単純計算すると、1年当たり800万円くらいは削減できる予定です」(江川氏)

拠点間網の分も含めると、ネットワーク関連で年間2000万円近くものコスト削減を実現することになる。

サービス利用へのシフトで、区民満足度の向上を目指す民間データセンターへの移行を皮切りに、BCP強化やコスト削減で大きな成果を挙げてきた葛飾区。そのポイントの1つには、民間データセンターやクラウドの活用など、民間事業者との「協働」があった。

「自前で設備を持つのは安心ですが、運用面も考えると高コストになります。今後も自前で設備を保有・運用する必要性のないものについては、サービス利用へのシフトを進めることで、コスト削減や運用効率化を図り、区民サービスの向上につなげていきたいと考えています」と語る土居氏。

区民満足度のさらなるアップを目指し、葛飾区はICTにおいても「協働」を進めていく。

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