SDN活用のWANでクラウド時代を駆ける「ゆかり」の三島食品

赤しそを原料にしたふりかけ「ゆかり」で有名な三島食品は今年7月、ネットワークを刷新した。採用したのは、SDN技術を活用したイントラネットサービス「KDDI WVS 2」だ。さらにはWVS 2直結のクラウド基盤「KDDI クラウドプラットフォームサービス」も導入し、クラウド時代への対応を一気に推し進めている。

「本当は2017年にネットワークを更改する予定だった」三島食品は、およそ5年ごとにネットワークを刷新してきた。WVS 2以前のネットワークは同じくKDDIのWVSである。ここ約10年はずっとKDDIのネットワークを採用してきたが、同社のこれまでの基本的な考え方は「スクラップ・アンド・ビルド」(情報システム マネージャーの旭経志氏)。通信事業者の選定をはじめ、5年ごとにゼロから最適なネットワークを検討・構築するというアプローチをとってきた。

前回、WVSでネットワークを刷新したのは2012年のこと。今回も5年で刷新するとなると、次は2017年がリプレースの年になる。そこで三島食品では昨年、2017年のネットワーク刷新に向けた3カ年計画を立てていた。

三島食品
三島食品 情報システム マネージャー 旭経志氏

その3カ年計画を変更し、今年7月にWVS 2でネットワークを刷新した理由について、旭氏はこう語る。

「KDDIからWVS 2の説明を受け、初期投資や作業負担がほとんど不要で、望んでいた性能向上を実現できることが分かりました。そこで、『やってみよう』と。最近ITモダナイゼーションという言葉が少し流行っていますが、現在の資源を有効活用しながら、ネットワークの性能をアップできる点に惹かれました」

ITモダナイゼーションとは、すでにある資産を活かしながら、システムの近代化を図る手法のことだ。

三島食品が次期ネットワークに求めた機能とは?三島食品が、次期ネットワークに望んでいた要件はいくつかあった。まずは、各拠点のトラフィック状況の可視化である。WVSの場合、フレッツのようなブロードバンドアクセス方式のアクセス回線を使っている拠点のトラフィック状況はモニタリングできない。また、イーサネット方式の拠点についても、前日のトラフィック状況しか確認できなかった。

このため、「ネットワークが遅い」というクレームが情報システム部門に寄せられても、「原因を調べるのが簡単ではありませんでした」と旭氏は話す。

インターネットとの接続口が本社とWVS上の2カ所あり、運用負荷が大きかった点も課題だった。本社はオンプレミスのUTM、それ以外の拠点はWVS上でKDDIが提供するUTM機能を介してインターネットに接続しており、2つのセキュリティゲートウェイを運用する必要があったのである。

「例えば、『本社のUTMのポートを閉めたら、次はWVSも閉めて』と二重に手間がかかっていたのに加えて、セキュリティポリシーの同一性の維持が難しいことも悩みでした」(旭氏)

さらに、WVS側のセキュリティゲートウェイの設定変更は、紙ベースでKDDIに依頼する必要があり、迅速に設定変更することもできなかった。

これらの課題をクリアできると同時に、コストは増やさずに一層の機能向上が図れること――。それが次期ネットワークに三島食品が求めたことだが、WVS 2なら2017年を待たなくても、今すぐにこの目的を達成できる。そう考えた同社は、約2カ月という短い検討・準備期間で、今年7月にWVS 2へ移行した。

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