1Gbpsを超える超高速規格「IEEE802.11ac」が登場し、無線LANはギガビット時代に突入した。スマートフォン/タブレット端末を業務に活用しようとする企業は、この最新規格を積極的に採用し、従来の11a/b/g/nから11acへの移行を進めようとしているが、そこで新たな課題が生まれている。有線LANの容量不足だ。
11acの最大伝送速度は、Wave1(第1世代)で1.3Gbps、Wave2は3.5~6.9Gbps(使用するチャネル数等により異なる)に達する。有線LANを1ギガビットイーサネット(1GE)で構築している場合、容量不足となるのは明らかだ。11acの能力を最大限に発揮させようとすれば、有線LANも同時に広帯域化しなければならない。
この有線LANへの投資コストを低く抑え、効率的かつ段階的に“ギガビット超え”時代への備えが行える新技術が登場した。2014年11月に発足した「NBASE-T Alliance」が公表した新規格「2.5GBASE-T」「5GBASE-T」だ。
現在最も普及しているカテゴリ5eのメタルケーブルで2.5Gbps/5Gbpsの通信を行えるようにするもので、シスコシステムズが初めてこれに対応したLANスイッチを発売した。2.5G/5GBASE-T規格に基づく「Cisco Catalyst Multigigabitテクノロジー(mGig)」を搭載したCatalystスイッチ3機種の提供を7月から始めている。
NBASE-T Allianceにはシスコのほかインテル、フリースケール、マーベル、アルバネットワークス、ラッカスワイヤレスといったネットワーク機器やチップセットのベンダーが名を連ね、参加企業数は30を超える。
2.5G/5GBASE-TのIEEEにおける標準化も進められており、今後、広く普及が見込まれる。