マイクロソフトとMDM1位のアイキューブドの協業が「象徴的」な理由

「今回のアイキューブドシステムズとのパートナーシップは、非常に大きい、そして象徴的なものだ」

日本マイクロソフトとアイキューブドシステムズは2015年10月2日、協業を発表。その意義について、マイクロソフト インターナショナル プレジデントのジャン・フィリップ・クルトワ氏はこう語った。

モバイルデバイス管理(MDM)サービス「CLOMO MDM」を提供するアイキューブドシステムズは、同分野で国内トップのベンダーだ。その同社との協業を「象徴的」と表現したのは、ナデラCEO体制の下、変革を進める“新マイクロソフト”の方向性とまさに合致したパートナーシップだからに他ならない。

日本マイクロソフトとアイキューブドシステムズ
(左から)マイクロソフト インターナショナル プレジデントのジャン・フィリップ・クルトワ氏、アイキューブドシステムズ 代表取締役社長の佐々木勉氏、日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏

その方向性とは、まずはクラウドだ。マイクロソフトは、“クラウドファースト”へと完全に舵を切り、Office 365やAzureに注力しているが、アイキューブドは今回の協業を受けて、CLOMO MDMの基盤をAzureへ全面移行する。従来は、AWSを利用していた。

「我々はユーザーとしてAWSのパワーを最大限に使っていたが、一方でAWSの機能にロックされないようにもしていた」。アイキューブド 代表取締役社長の佐々木勉氏は、こう述べたうえで、「Azure IoT Suiteの発表など、法人向けの機能強化が我々の背中を大きく押した」とAzureの採用理由を説明。IoT時代に向けて、Azureのマシンラーニングの機能などを積極的に活用していく考えを示した。

また、今回の協業は、マイクロソフトのデバイス戦略の観点からも象徴的である。

Windows 10デバイスが売れるのがマイクロソフトにとって最も良いことは間違いないが、同社は最近、Windows以外のiOSなどのプラットフォームのサポートにも力を入れていく方針を打ち出している。企業が求めているのは多様なモバイルデバイスの選択肢であるうえ、マイクロソフトはモバイル分野でライバルの後塵を拝しているからだ。「PC一辺倒から、人に軸足を置いたビジネス展開をしていく」と日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏はこの戦略転換について話した。

Windows以外のプラットフォームをきちんとサポートしながら、Windows 10デバイスの普及もしっかり図りたいというのが同社のスタンスなわけだが、そこで重要になるのが「我々がこれまであまり接点を持っていないデバイスとの接点を多く持っている」と平野氏が話すアイキューブドとのパートナーシップである。

アイキューブドは、今年11月にCLOMO MDMをWindows 10に対応させる。その結果、CLOMO MDMのユーザー企業は、iOSやAndrodに加えて、Windows 10デバイスも一元的に管理可能になる。

MDMで数多くの実績を持つ同社との協業は、多様なデバイスを効率的に管理したい企業のニーズに応えながら、Windows 10デバイスの採用を促進していくのに有効なのである。

MDM市場シェア1位
テクノ・システム・リサーチの調査において4年連続でMDM市場シェア1位のCLOMO MDM

CLOMO MDMとマイクロソフトのクラウド型セキュリティソリューション「Enterprise Mobility Suite(EMS)」の連携も進めていく。具体的には2016年春頃に、EMSが提供するID管理・認証ソリューション「Azure Active Directory Premium」やデータ保護ソリューション「Azure Rights Management」との連携を実現する計画だという。

EMSはMDM機能も備えており、その意味では両社は競合関係にもあるが、「本社では、これまで競合相手だった企業とも、お客様の利便性を考えて連携している」と平野氏。ユーザーの利益を第一に、競合相手とも積極的に提携していくというのが、これからのマイクロソフトのパートナーシップ戦略の特徴の1つとなるようだ。

福岡に本社を置くアイキューブドの「グローバル展開も支援していきたい」とも平野氏は語っている。

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