「IoTというとインダストリー4.0、とかく製造業のIoTがフォーカスされることが多いが、IDCの調査によると、IoT市場の中で製造業の占める割合は20%弱。IoTはいろいろな産業や社会の中に広く普及すると考えられている」
IoTの事業方針として、清水氏が明らかにしたことの1つは、特定の産業分野にとどまらない事業展開だ。IoTにおいては、従来の業界構造をまたがった動きも活発化するとも見られている。こうした業界横断的なものも含め、「IoTによる社会価値創造の取り組みを今後強化したい」という。
IDCによる世界IoT市場の業種別シェア予測
このようにNECは幅広い分野でIoT事業を展開していく考えだが、なかでも狙っているのは、各国共通で使えるソリューションだという。「当社がすでに販売しているものの多くは国のボーダーを超えるもの。特に、社会ソリューション系は、最初からグローバル展開を狙っている」
NECのIoTソリューション
NECは今回、5つの新しいIoTソリューションを発表している。官公庁・自治体向けの「土砂災害検知・予測ソリューション」、自治体・水道事業者向けの「水需要予測ソリューション」、新電力向けの「電力需要予測ソリューション」、物流業界向けの「画像・重量検品ソリューション」、小売・サービス業向けの「VIP検知接客支援ソリューション」の5つだ。これらの多くもグローバル展開を狙ったものだという。
23日から販売開始となった物流業界向けの画像・重量検品ソリューション。
画像認識技術と重量計により、出荷検品業務を効率化できる