“声”でシステムを動かせ!「ウェアラブル音声認識」の可能性とは?

音声認識ソフト「AmiVoice」を開発・提供するアドバンスト・メディアが新市場の開拓に乗り出す。騒音の多い業務現場でも音声認識を活用できるウェアラブル端末を開発した。

対話に特化したウェアラブル

WT01は、音声認識・対話に特化した企業向けのウェアラブル端末で、首にかけて使用する。マイクとスピーカーを搭載し、最大100dBの耐騒音性能、最大10m耐風性能を有する。

スマートデバイスとBluetoothで連携し、音声をクラウド上の音声認識サーバーに送ったり、「○○に電話」「△△を起動」などと声でアプリを操作したり、ハンズフリーで通話することが可能だ。機能を割り当てられるファンクションボタンも備えており、また、屋外で利用するケースに備えて防水仕様(IPX4相当)とした。

このWT01と連携するクラウド型IP通話サービス「AmiVoice IP Phone」も8月から提供を始める予定だ(図表1)。音声によるコマンド起動やグループ通話、一斉同報といった通話関連の機能のほか、音声をクラウド上のサーバーに送り、その認識結果とユーザー企業内の情報データベースを連携させるための音声認識IVR機能を提供する。

図表1 クラウド型IP 通話サービス「AmiVoice IP-Phone」
クラウド型IP 通話サービス「AmiVoice IP-Phone」

WT01とAmiVoice IP-Phoneの組み合わせでまず狙うのが、インカムの市場だ。

現在、倉庫業務や接客業務、建設工事の現場などさまざまな場所で、情報を閲覧する端末としてスマートデバイスが浸透してきているが、そこにWT01とAmiVoice IP-Phoneを組み合わせることで、インカムの機能も載せることができる。1対1通話やグループ通話、一斉同報といったインカム同等の機能を持つうえ、音声認識操作やハンズフリー通話で使い勝手も高まる。周囲に声が漏れないよう、イヤホンを装着することも可能だ。

対話以外にも用途は広がる。

坂口氏によれば、WT01に着目したユーザー企業から、想定していなかったアイデアが出てきているという。例えばホテルやデパート、小売店から「接客員や営業マンにWT01を付けて会話を録音、テキスト化し、良く売れる社員が何をどのように話しているのかを分析したいという話が来ている」。コールセンターではオペレータの品質向上のためにすでに行われていた手法だが、WT01によってフロント業務でも同様のことが可能になるのだ。

月刊テレコミュニケーション2015年4月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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