急増を続けるデータトラフィックに、ネットワーク接続デバイスの数……。
ジュニパーネットワークス 技術統括本部長の加藤浩明氏は、「今までのビジネスのやり方、インフラでは立ち行かなくなっていくのは明らか。ネットワークには大きな変更が必要だ」と通信事業者などのサービスプロバイダーが置かれた状況を説明。そのうえで「変化にキャッチアップするだけではなく、先取りできるソリューションを提供していこうと開発を行っている」と語った。
そのために同社では「製品の3要素――チップセット、全体のシステム、それをまとめるソフトウェアへの開発投資を続けている」というが、その成果として今回発表されたのが、ルーティング、スイッチング、セキュリティの3分野における新製品である。
1チップで500Gを実現する業界初のASIC
まずルーティングについては、新しいコアルーティングプラットフォームである「コンバージド・スーパーコア」を発表。具体的には、同社のシャーシ型ルーター「PTXシリーズ」向けの新ラインカードやSDN機能の強化からなるものだ。
ルーティング分野における新製品・新機能 |
新ラインカードの最大の特徴は、新しいASIC(カスタムシリコン)「ExpressPlus」の搭載だ。
「業界で初めて1チップで500Gのパフォーマンスを実現した。最高のネットワーク用汎用シリコンと比べると、約16倍のルーティングテーブルを持てる」と加藤氏はExpressPlusをアピール。これにより、PTX5000は1スロット当たり3Tbps、最大24Tbpsの容量を実現できるようになった。
また、ジュニパーはWAN向けのSDNコントローラー「NorthStar Controller」を有しているが、今回機能拡充され、マルチレイヤのコントロールが可能になった。「IP網だけではなく、その下の光レイヤも可視化してパスの最適化ができる」という。
WAN向けSDNコントローラー「NorthStar Controller」の概要 |