81%がプライバシー懸念でIoT機器購入に躊躇――セキュリティ問題が最大のネックか

米国にて実施されたIoTに関するアンケートで、81%の人がIoT対応機器を購入する際、「プライバシーに関する懸念が購入意欲に影響する」と回答していたことが分かった。

このアンケートは、半導体やソフトウェアなどの開発事業を手掛ける世界的企業、NXPセミコンダクターズが、世論調査会社ハリスに委託して行ったもの(調査期間は2014年12月2日~4日)。米国の成人2042人を対象にインターネットで実施され、2015年1月16日に公表された。

IoTの技術については69%の人が、「今後の生活をより容易にしてくれる」「すでに容易にしてくれている」と肯定的な見方を示している。利点として挙げられたのは「直接購入できないものをオンラインで購入可能」が36%で最も多く、「現在起こっている出来事に関する最新情報を常時入手可能」(35%)、「身近な人たちの安全を確認できる安心感」(33%)、「外出中に自宅の安全確認が可能」(30%)、「体験をリアルタイムで他者と共有可能」(23%)と続いた。

一方で、スマートホームやスマートワークスペースを利用する際に、プライバシーに関する懸念を覚えるという人は82%にものぼった。最も大きな心配事となるのは、やはり金銭に関するセキュリティ問題だ。「金銭的な情報の共有」に不安を覚えるとしたのは60%。次いで「個人的な生活活動に関する情報に他人がアクセスすること(例えば、就寝、起床、食事時刻)」(54%)、「自分がいつどこにいるか他人にわかること」(47%)、「他人との会話」43%、「独りでいるときの行動を他人に知られること」(40%)、「訪問者の身元がわかること」(30%)、「リラックス時間や寛いでいる時間を知られること」(24%)、という結果になった。

IoTの有用性はすでに一般的に認知されているものの、プライバシーやセキュリティ問題の解消が今後の大きな課題となっていることが分かる。しかしベンダー側も、これに対応した動きを見せ始めている。

例えば三菱電機は2月5日、IoT対応のセキュリティ技術を開発したと発表している。LSI(大規模集積回路)ごとに固有のIDを設定することで、人の「指紋」のようにLSIの個体識別を可能にしたという。プログラムやデータを使うには「指紋」の適合が必要条件となる上、IDはメモリー上に残らない。外部から第三者が侵入することはまずできない仕組みとなっているという。三菱電機は今年度以降の製品に、このセキュリティ技術を搭載していくとした。

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