ヤマトグループがMVNO業務支援を拡充――端末故障時の交換・保証も代行

MVNO(仮想移動体通信事業者)の幅広い業務を支援しているヤマトグループが、端末故障時の対応も代行する新サービスを始めた。アフターサービス体制を最短2週間で構築できる。

IoT/M2Mで新ビジネスも

こうした幅広い機能を活かして、ヤマトグループはさらなる新ビジネスにも取り組もうとしている。

YSDは、前述の「テクノ・ロジ」サービスにおいて携帯電話/スマートフォンのほか、モデムやデータ通信カードなど多種多様な通信機器を対象に設定・キッティング作業と物流機能を提供してきている。例えば、大手通信事業者が2011年6月から8カ月間で全国10万カ所に設置した公衆WiFiの設定支援もYSDが行っている。

そのノウハウを基に同社が次に狙うのが、IoT/M2M市場だ。テクノ・ロジソリューショングループマネージャーの宗像清三氏は、「これから全国の家庭に普及するスマートメーターの設置をサポートしたい」と話す。

具体的には、電気・ガス・水道会社の要望に応じてスマートメーターの事前設定をYSDが行い、設置するだけの状態にして工事会社に渡す。それも、工事会社の営業所ではなく「スケジュールに合わせて、設置現場の最寄りのヤマト運輸の店舗に届ける。作業員は都度ピックアップして現場に行けば、効率よく設置作業が進められる」のだ。

これは、YSD のテクノ・ロジと、全国3800カ所のヤマト運輸の店舗で荷物の止置き・受取などが行えるヤマト運輸の「クロネコBizステーション」の機能を組みわせて実現しようというものだ。事前設定済みのスマートメーターが現場最寄りの店舗に到着すると、作業員には通知メールが届き、それに従って機材を受け取ってから現地に行くだけでよい。最初から大量に機材を持ち運んだり、作業の度に営業所へ取りに戻る必要がなくなる。また、必要な機材だけ当日受け取れるため、現地在庫を抱える必要もない。

テクノ・ロジソリューション事業部長の井上誠氏によれば、「大量の機材をミスなく設定・配送してきた公衆WiFiの設置支援などの実績が評価され、すでにある電力会社と実験的な取り組みを進めている」という。また、「東京オリンピック開催に向けて拡充される公衆WiFiや、他のIoT/M2Mデバイス向けのビジネスも、さらに広げていきたい」と意気込んでいる。

ヤマトグループ
(左から)ヤマトマルチメンテナンスソリューションズ(YMM)メンテナンスソリューション事業部・延長保証グループの北原恵氏、ヤマトシステム開発(YSD)テクノ・ロジソリューション事業部長の井上誠氏、テクノ・ロジソリューショングループマネージャーの宗像清三氏

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