3分以内に全拠点とつながるビデオ会議システム
続いて石原氏は、今年6月に発表した新サービス「Cisco Collaboration Meeting Rooms(CMR)」を使ったデモを行った。CMRは、ビデオ会議用の仮想ミーティングルームをクラウドサービスとして提供するもの。Web会議「Cisco WebEx」やビデオ会議システム、デスクトップビデオフォン、「Microsoft Lync」などを相互につなぐことができる。
Collaboration Meeting Rooms(CMR)の活用イメージ |
「今までビデオ会議というと、企業内で東京と大阪の拠点をつなぐといったことが中心だった。しかし、CMRを使えば企業内だけでなく、グローバルで、顧客のビデオ会議室などとコミュニケーションを取ることも可能だ。大きな経営会議室からモバイル端末まで、一貫したユーザー体験を提供できる」と石原氏は強調した。
また、シスコは今年5月にビデオ会議端末のラインナップを一新した。これまでのビデオ会議システムは可動式で、会議室に運んでLANケーブルを挿し、リモコンで操作するというものが一般的。だが、うまく操作できる人が少ないため、ビデオ会議システムの利用率はなかなか上がらなかった。
「これからはどの会議室にもプロジェクターやモニターがあるように、ビデオ会議システムも設置されるようになる。それを下支えするのがシスコのビデオ会議システムだ。20万円以下からフルHD環境のビデオ会議室が構築できるようになる。これにより、役員の方が会議室に入ったら、3分以内にどこの拠点にもつながるようになる」
すべてのビジネスパーソンがスマホを業務活用するために
石原氏は、次にスマートフォンについて言及した。ビジネスパーソンの多くはスマートフォンを業務で活用したいと考えているが、セキュリティ面が問題視され、役員や営業担当者にスマートフォンが支給されるだけで、そのほかの部署ではスマートフォンを使えないという企業も多い。
シスコは現在、すべてのビジネスパーソンにスマートフォンを業務で活用してもらうため、スマートフォンシンクライアントの環境を顧客に勧めている。会社支給のスマートフォンだけでなく、BYODでも利用できるものであり、スマートフォンに情報を残さずにメールやスケジュールのチェック、社内スタッフの検索、チャット、内線・外線電話、名刺検索、Web会議などがどこにいても行える。実際にスマートフォンを利用したデモも行われた。
シスコソリューションによるセキュアなスマートフォン活用 |
また、石原氏によると、スマートフォンで内線電話をかける方法は3通りある。VoIPアプリタイプとコールバック転送タイプ、キャリアFMCタイプの3つである。「どれか1つのタイプに統一するのではなく、この3つを状況によって使い分けることが肝心。シスコのシステムならばそれを柔軟に実現できる」
スマホの内線化の3つのパターン |
「簡単」「柔軟」「セキュア」「拡張性」がポイント
講演中に紹介したソリューションのまとめとして石原氏は、(1)ワンタッチで簡単に使えること、(2)様々な既存のIT環境と柔軟に連携すること、(3)セキュリティを確保してBYODにも対応すること、(4)スモールスタートで始められ、将来的にはグローバル環境でも利用できる拡張性を備えていることの4つを重要なポイントとして挙げた。
また、部署や部門によってワークスタイルは様々だが、それぞれのワークスタイルに合わせてスタッフの潜在能力を引き出せる人事制度、コミュニケーションスタイル、オフィスレイアウトなどを検討し、ビジネスを発展させることが大切である。
「シスコはそのお手伝いをするための実績とノウハウを持っている会社だと自負している」と石原氏は強くアピールした。