2020年開催のオリンピックに向かって、大型商業施設などの建設ラッシュが始まった東京。しかし、こうした建物だけでは、オリンピックを迎えるのに十分ではない。モトローラ・ソリューションズの内田修氏が訴えたのは「ゲストWi-Fi」の重要性である。
モトローラ・ソリューションズ エンタープライズビジネス事業部 Strategic Account Sales Manager 内田修氏 |
ゲストWi-Fiとは、例えばスタジアムやカフェ、ホテルなどで提供されている無料のWi-Fiスポットのこと。オリンピックが成功するうえでは、多数の外国人観光客が簡単に利用可能な公衆無線LANサービスを充実させていくことも大切だ。
また、ゲストWi-Fiの必要性は、一般オフィスでも高まっているという。自社の従業員だけではなく、来客や協力会社のスタッフなど向けのWi-Fi環境の整備が求められているからである。さらにはBYODのトレンドによって、従業員の私物デバイス向けにWi-Fi環境を提供する必要性も増している。
こうしたゲストWi-FiやBYOD向けのWi-Fiは、顧客やエンドユーザーの満足度向上に貢献するが、「企業としては投資したら回収しないといけない。つまり、企業の売上アップにつながるネットワークインフラを構築しなければならない」(内田氏)というのが難しいところ。
売上アップと顧客満足度アップは「対極的なキーワード」ともいえるわけだが、モトローラ・ソリューションズなら、この両方を実現するソリューションを提供できるという。
モトローラ・ソリューションズの無線LAN製品の主なラインナップ。このほか、IEEE802.11ac対応のアクセスポイント「AP8222/AP8232」や、仮想コントローラ機能を搭載した中小企業向けのアクセスポイント「AP-6522M」などもある |
ゲストWi-Fi構築のポイントとは?
BYOD、そしてゲストWi-Fi時代を迎えるにあたって、無線LANインフラに求められる変革はまず認証方法である。
「昨日までは“既知のユーザー”が会社の管理する“既知の端末”で接続していた。しかし、BYODが広がった今日、“既知のユーザー”が“未知の端末”で接続するようになっている。明日からはもっと進む。ゲストWi-Fiでは、“未知のユーザー”が“未知の端末”で接続してくる」からである。
進化するWi-Fiの利用方法 |
そこで、モトローラ・ソリューションズがBYOD/ゲストWi-Fi時代に対応する認証システムとして提供するのが「Secure Guest Access」だ。
Secure Guest Accessの特徴の1つは、携帯電話番号、SNSのアカウント、Eメールアドレスなど様々な手段により認証が可能なこと。「Facebookのアカウントを持っていれば、簡単にゲストユーザーがWi-Fiを利用できる」といった環境を容易に構築できる。
また、「面白いのは、証明書の有効期限を設定できること」だという。ゲストユーザーであれば証明書の有効期限は1日、社員のBYODなら1週間といった設定が行える。
さらに、最初はオープンなSSIDにつなげるところもポイントだそうだ。外国人観光客などのゲストユーザーがWi-Fiスポットを使いたい際、まず確認するのはロックのかかっていないオープンなSSIDがあるかどうか。Secure Guest Accessでは、まずオープンなSSIDにつなぎ、認証後にセキュリティのロックがかかったSSIDに自動的に切り替えられるので、「システム管理者から見ると、ゲストWi-Fiをセキュアに提供できる」という。