
オプテージ 代表取締役社長 名部正彦氏
――オプテージが担う関西電力グループの情報通信事業は、2025年度決算で増収増益となりました。
名部 当社はFTTH(Fiber To The Home)サービス「eo光」が屋台骨の会社ですが、高速プランへの移行が想定以上に進んだことが要因の1つです。MVNOサービスである「mineo」(マイネオ)に加え、法人向け光回線やSI事業も好調で、それぞれ売上高が目標を上回りました。
また、大阪中心部に「曽根崎データセンター(OC1)」を開設し、東名阪の主要データセンター(DC)間をオール光ネットワークで結ぶDCI(DC間接続)サービス「All-Optical Connect(AOC)」も提供開始しました。
2028年度には、日本―シンガポール間の国際海底ケーブルを利用したグローバルDCIサービスも展開する予定です。増収増益を達成しただけでなく、新たな事業を立ち上げることもでき、次の成長に向けた第一歩を踏み出せた年だったと感じています。
――今年5月には、「長期ビジョン2035」「長期戦略目標2035」を策定され、売上高4300億円、経常利益750億円という目標を掲げています。
名部 長期戦略目標では、「社会の“あたらしい”を起動しつづけるグローバルネットワークソリューションカンパニーへ」として新たな自分たちの姿を定義しています。
これまではコンシューマー事業が中心でしたが、今ではビジネスソリューション事業が売上高の3分の1程度を占める規模にまで成長しています。ただ、事業展開の中心は依然として関西です。今後は全国、さらには海外へと事業領域を広げていく方針で、その思いをこのビジョンに込めています。
この長期戦略目標を策定した背景には、次の3つの狙いがありました。
1つめは、社員に対して「これまでのオプテージとは違う」と明確に宣言すること。2つめは、これまでは関西の中堅企業がお客様の中心でしたが、オプテージが様々な事業に取り組んでいる姿を全国へしっかりお伝えすること。そして3つめは、今後ご一緒していく多くのパートナー企業に対し、我々がどんな事業を展開し、どのような価値を提供できるのかを共有することです。
この3つを通じて、これまで積み重ねてきた成長を今後10年間も継続・発展させていきたいと考えています。
OC1がもたらす3つの価値
――長期戦略目標では、2025年度に36%だったビジネスソリューション事業の売上構成比を、2035年度には50%へ引き上げる方針を示しています。その成長を牽引する事業の1つが、前述のDC事業ですね。
名部 我々はOC1を「コネクティビティデータセンター」として位置付けており、全国あるいは世界とつなぐ接続点となるDCを目指しています。
OC1を通して、我々は3つの価値を提供できると考えています。
1つめは、DCに入居するお客様同士が生み出す価値です。例えば、主要なクラウド事業者や人気コンテンツを提供するお客様が入居すると、そのトラフィックを目当てに多くの通信事業者やISPが集まります。すると、コンテンツ事業者は多様なネットワークと接続できるようになり、より高品質なコンテンツ配信を実現できるでしょう。
2つめは、自社で保有する光ファイバー網と敷設・工事のノウハウを活かし、OC1と他のDCを柔軟かつ短期間に接続できる点です。3つめは、東名阪をはじめとする国内主要都市や海外など、離れた拠点との接続性です。こうした強みこそが、我々が勝ち筋と考えるポイントです。
――今年2月に提供開始されたDCIサービス「AOC」の引き合いはいかがですか。
名部 具体的な企業名は申し上げられませんが、国内の事業者に加え、「東名阪を低遅延に接続したい」というニーズを持つ海外企業など、すでに複数のお客様にサービスを利用いただいています。当社は関西圏を中心にビジネスを展開してきましたが、OC1の開業を機に、これまでとは異なる顧客層との接点が生まれています。
――長期戦略目標では、2035年までにDC関連へ3000億円投資する方針を打ち出しています。
名部 現在、DCは東京近郊への集積が進んでいますが、東京で何らかの事態が発生した場合でも、大阪側でしっかりバックアップできるようなデジタルインフラの構築に貢献したいです。具体的な場所や地域については差し控えますが、3カ所以上のDCを建設したいと考えています。












