店舗経営の「課題解決」にiPhoneとGoogle Apps――脱電話とクラウド化で「意思決定は即!」

社内連絡と情報共有の円滑化は、店舗ビジネスにとって長年の「共通課題」だ。居酒屋やリラクゼーションサロンなど20店舗を展開するゲイトは、iPhoneとGoogle Apps、Skypeなどを活用することで、この課題を解決。経営スピードの向上に成功している。

きっかけはSkypeのグループチャット

始まりはSkypeだった。五月女氏がIT担当のスタッフに社内コミュニケーション環境について相談したところ、見せられたのがSkypeのグループチャット機能だった。グループチャットとは、複数メンバーと同時にテキストメッセージでリアルタイムにコミュニケーションできる機能だ。「これならいける」と、五月女氏は即座にSkypeとモバイルデバイスの導入を決める。Skypeを知ってから全社導入の意思決定まで、1日かからなかったという。

スピード感に溢れるだけではなく、緻密さも兼ね備えるのが同社の特色だ。Skypeのテストに1~2カ月かけたのをはじめ、社内環境をしっかり整備しながら導入を進めた。モバイルデバイスを選定するにあたっても、当時発売されていた全機種を試したという。そのなかからiPhoneを選んだ理由について、「操作性がずば抜けていました」と五月女氏は説明する。

ただ、iPhoneにも課題はあった。それは、Windows PC環境との親和性や、Flashに非対応な点などだ。そこでゲイトはこのとき、「すべての企業システムをクラウド化する」という大きな決断も同時に下している。デバイスによる違いに左右されない企業システムを作ろうと考えたのだ。

そのためのクラウドサービスとして選択したのは「Google Apps」だった。最初は無料版から利用をスタートしたが、現在はiPhoneと同じくKDDIが提供する「Google Apps for Business」を活用している。

「決定的に違うのは、問題が起きたときにフォローしてくれる点です。中小企業に本気で向き合う気持ちと、そのための機能を持つところというと、選択肢はKDDIしかありませんでした」

テキストメッセージ1つで情報共有、だから意思決定も迅速に

iPhoneとSkype、そしてGoogle Appsの導入から数年を経た現在、ゲイトの社内コミュニケーションツールの主役は、電話からテキストベースに移行している。

「電話で話さないとニュアンスが伝わらない場合などを除くと、今はテキストベースでのコミュニケーションがほとんどとなっています」と五月女氏。会社メールはGmail、社内のやりとりはSkypeのグループチャット、スタッフへの一斉伝達にはSMS/MMSと、複数のテキストベースのコミュニケーションツールを使い分けているそうだ。

「例えば、『照明がつかなくなりました』とグループチャットで連絡したり、本社とのやりとりのほとんどはSkypeで行っています。電話は相手の仕事を止めてしまいますから、このほうが効率的ですよね」。こう話すのは、ZABOUのプレイングマネージャーを務める橋田小織さんだ。

「ZABOU 麻布十番 七面坂店」の店内
「ZABOU 麻布十番 七面坂店」の店内

五月女氏も「情報共有にかかる手間が、テキストメッセージを1つ出すだけになりました。だから、意思決定も“即”です」と、コミュニケーション変革の効果を語る。

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