企業ネットワーク変革Day 2014講演レポート野村総研の桑津氏「企業ネットワークは2020年に向けて“牧場型”から“動物園型”に」

コミュニケーションスタイルの変化、SDN/NFVの利用拡大、M2Mの普及などが進むなか、企業ネットワークはどう変革していくのか――。野村総合研究所(NRI)の桑津浩太郎氏は5月22日開催のイベント「企業ネットワーク変革Day 2014」において、「変革期の企業ネットワークと2020年に向けた動向」と題した基調講演を行った。

NFVは「もっと早く来る」

今、企業ネットワークの変革を語る際に欠かせないキーワードといえば、「SDN(Software-Defined Networking」と「NFV(Network Funcitions Virtualisation)」の2つが思い浮かぶ。桑津氏の講演でも当然、この2つのキーワードは登場した。

まずSDNについては、WANサービスの今後の動向に関連して触れられた。現在、WANサービスは、レイヤ2の広域イーサネット、レイヤ3のIP-VPNやエントリーVPNというように、レイヤ2系とレイヤ3系に基本的に分かれているが、「SDNの動きの中で、これらはおそらく2015年以降、1つのサービスに統合されていく方向にある」とした。

NFVに関しては、今のところ通信事業者における議論が先行しており、「いろいろな通信事業者が、2015年とか2018年くらいにNFVにしたいと取り組みを進めている」状況にあるという。

図表2 通信事業者視点でのNFV
通信事業者視点でのNFV

では、一般のユーザー企業にもNFVのトレンドはやってくるのだろうか。通信事業者のネットワークと比べて規模の制約が少ない分、「もっと早く来るだろう」というのが桑津氏の見方だ。

「今でもIP-PBXを買うと、来るのはサーバーだ。ルーターやファイアウォールについても、サーバーとソフトウェアで実現される方向に向かいつつある。通信機器はサーバーファームの中でソフトウェアで実現される、という世界が3年くらいで来るだろう」

ところで、IP-PBXの登場は、それ以前あった「音声系は総務、データ系は情シス」という垣根を曖昧にした。NFVが進展すれば、ネットワーク機能はサーバー上で提供されることになり、しかもそのサーバーはクラウド上にあるかもしれない。つまり今度は、情シス内にあった、サーバー担当、ネットワーク担当といった垣根もどんどん曖昧になっていくことになる。企業のネットワーク担当者が目配りすべき領域は、拡大していくということだ。

そして、さらにネットワーク担当者の仕事を増やすことになるのが、M2Mである。「うちは製造業はないし、M2Mはあまり関係ない」と思っている企業は多いだろうが、実はそうではないという。

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