IT業界の巨人であるインテルも当然ながら、ITを様々な業務に利用する“ユーザー企業”としての側面を持っている。では、グローバル10万人の従業員を有するインテルのIT部門は今、何に注力しているのだろうか。
インテルは2014年3月31日、同社IT部門の2013年度の取り組みについて紹介する記者説明会を開催。インテルのIT部門でJapan and North-APAC Region地域部長を務める邱天意氏が説明を行った。
まずインテルのIT部門およびIT投資の概要だが、正社員9万8362名のうちIT部門で働くのは6334名。IT部門の社員は前年より「200人くらい減った」という。社員1人当たりのIT支出も、2012年度の1万3600ドルから1万2900ドルに減っている。
インテルのIT環境の概況 |
インテルにおいてもIT予算は縮減トレンドにあるわけだが、IT部門の役割についても、「従来のITサービスを提供するだけの組織から、ビジネスグループと一緒にバリューを作り、さらには新たなイノベーションやインサイトを提供する組織」への変革が求められているという。
そうしたなか、インテルのIT部門が長期的な戦略として、積極投資している4つの柱が「SMAC」だ。
社内の専門家の検索システムを導入、固定電話は積極的に削減
SMACとは、「Social」「Mobile」「Analytics」「Cloud」の頭文字から作られた造語。すなわちインテルは、ITがビジネスバリューを創造していくうえで、この4つのテクノロジーこそが重要と考えているということだ。インテルはそれぞれの領域でどのような投資を行っているのだろうか。
Socialにおいては、社内SNSや社内の専門家の検索システムなどを提供している。その目的は、「組織のバリアをなくし、グローバルにコラボレーションできる環境を提供すること」。社内SNSに貢献した社員にはポイントを与えることで、社員のインセンティブを高めているという。
インテルのソーシャルへの取り組み |
また、昨年実施したコラボレーション関連の取り組みとしては、固定電話の削減も挙げられる。コスト削減を目的に、「固定電話を積極的になくし、その代わりにソフトフォンを提供している」そうだ。