【Visban】ガラス基板ミリ波リピーターでカバレッジ問題を解決
ミリ波は今後の次世代通信技術として期待されているものの普及が進んでいない。その原因の一つとして考えられるのが、カバレッジの狭さとユースケースの開拓である。この課題解決のため、ミリ波リピーターを開発するVisbanは、東京都「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の採択者(キャンパスクリエイト)の支援を受け、東京都立大学のミリ波ローカル5Gフィールドを活用しながら研究開発・事業化を進めている。

Visban RFデバイス開発部門・工学博士の伊丹豪氏
「無線通信の未来を築く。高速・低遅延で途切れない5G/6G無線ネットワークを低コストですべての人に届けていきたい」。このようにビジョンを語ったのは、Visban RFデバイス開発部門・工学博士の伊丹豪氏だ。その実現に向けてVisbanが開発しているのが、5Gで用いられているミリ波(28GHz帯)の最大の課題であるカバレッジの狭さを解決する中核技術「V-Mesh」である。
V-Meshとは、複数のV-Meshリピーターが連携して形成されるミリ波メッシュネットワークシステムのことで、「基地局だけではミリ波の通信エリアは限られるが、V-Meshを用いることで、障害物の影響で電波が届きにくいエリアや建物内までカバレッジを広げることができる」(伊丹氏)
V-Meshリピーターの特徴は、受信した信号をデジタル変換せずに、アナログのまま中継すること。これにより、低遅延・高セキュリティ・低コストを実現しているという。また、ガラス基板の採用も特色の1つだ。「ガラス基板はミリ波通信に適した素材で、低損失・薄型・軽量という特性を持つ。日本の製造技術の強みを生かし、非常に安価に製造できる」と伊丹氏はコスト競争力を強調した。
V-MeshのシステムにはAI技術も搭載されている。リピーターの最適な配置を自動生成する「AI Configurator」と、ビームの方向制御や干渉抑制を行う「AI Orchestrator」により、必要最低限のリピーター数で安定した無線通信が可能になるという。

Visbanが開発した高性能ミリ波リピーター「V-Meshリピーター」
東京都立大学との連携で検証を推進―広がるミリ波のユースケース
ミリ波リピーターを事業化するためには、実機を用いたフィールド検証・改良を行うフェーズが必須となる。一方、ミリ波通信の大規模実証が可能な環境はそうそう無いが、キャンパスクリエイトはこの課題を解決するため、Visbanと東京都立大学との連携を支援した。
Visbanでは東京都立大学が保有する広大なキャンパスに複数備えられたミリ波ローカル5G基地局を用いた様々な条件下の通信試験を進めているが、スタートアップや中小企業でも利用可能な制度の下で実施できることは、限られたリソースの中でビジネスを推し進める必要があるスタートアップの成長に役立つものである。

スタートアップの事業障壁を解消する「大学リソースの有効活用」
須藤氏は、ミリ波のユースケースとしてスマートファクトリーを挙げた。ローカル5Gが工場で普及が進んでいる大きな要因としてAIエッジコンピューティングの利用促進が挙げられるが、工場に設置するローカル5G基地局とAIエッジコンピューティング端末がセットで用いられるようになれば、AI処理が必要な各機器にエッジ端末を付帯させる必要が無くなりスリム化・低コスト化につながるという。
「機器間の無線通信にローカル5Gが用いられるわけだが、AI外観検査の普及やカメラの高解像度化、産業用ロボットの技術革新によって、より大容量・低遅延・通信安定性が求められていき、sub6では帯域が不十分なケースやセキュリティ性がより必要となる用途などでミリ波の活用性は高まっていく」(須藤氏)
ミリ波のボトルネックであるカバレッジの解消、AIやロボット・DXの普及による大容量通信・低遅延へのニーズの高まりからも、ミリ波が活用される未来社会の解像度は飛躍的に高まっていくだろう。

ミリ波×ローカル5Gのユースケース
<お問い合わせ先>
株式会社キャンパスクリエイト
URL:https://www.campuscreate.com
avatarin株式会社
URL:https://about.avatarin.com/
Industry Alpha株式会社
URL;https://www.industryalpha.net/
株式会社Visban
<ご参考>
東京都「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業」
URL: https://next-5g-boosters.metro.tokyo.lg.jp
東京都「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業 (TOKYO SUTEAM)」













