ドコモがサステナブルな基地局運用を考案 「水素燃料電池」でCO2排出量ゼロへ

NTTドコモが、水素燃料電池を活用した非常用電源を商用基地局に適用する実証実験を開始した。CO2を排出しない水素燃料電池を用いることで、災害に強いサステナブルな通信ネットワークの構築を目指す。

従来の蓄電池と水素燃料電池の併用に成功

一般的な基地局は、交流(AC)の商用電力を無線装置向けに直流(DC)へ変換する「整流器」と、停電時に無線装置へ電力を供給する「蓄電池」で構成されている。同実証では、この構成に水素燃料電池を追加した。水素燃料電池は停電を検知すると起動し、整流器を介して無線装置に電力を供給する。

ただし、「水素燃料電池は外気温より高い作動温度が必要になるため、停電後に少し温める必要がある」(中村氏)ことから、その間は数分程度、無線装置に電力を供給できなくなるおそれがある。

同実証では、「一般的な蓄電池を用いて無瞬断に無線装置へ電力を供給する」ことで、このタイムラグを解消。水素燃料電池が稼働した後は、「我々が開発した出力電圧制御技術により、水素燃料電池が発電した電力を蓄電池に送ることなく無線装置へ直接供給」し、同時に蓄電池からの電力供給を弱めていくことで、水素燃料と蓄電池を高効率に運用可能だと中村氏は説明した。

ドコモが開発した出力電圧制御技術を活用

結果、停電直後には蓄電池が無線装置への電力供給を担い、水素燃料電池の起動後は同電池からの電力を優先的に無線装置へ送れることを確認したという。

実証の結果

ドコモは今回の実証で得られた成果・データをもとに、2027年以降の本格稼働を目指すとした。

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