ソフトバンクは2025年10月29日、通信業界向けの生成AI基盤モデル「Large Telecom Model」(LTM)について、SB Intuitionsが開発を進める国産LLM(大規模言語モデル)「Sarashina」を組み合わせ、データの学習から運用まで日本国内で完結する国産AIモデルを開発したと発表した。
LTMは、同社が保有する膨大な通信ネットワークのデータや、長年培ってきた設計・管理・運用ノウハウなどの独自のデータを学習させたAIモデル(参考記事)。LTMを活用することで、これまでの手動あるいは部分的に自動化していたネットワーク運用プロセスと同等の精度を保ちながら、設定変更などに要する時間を数日から数分へ大幅に短縮できるという。
今回、国内のデータセンターでAIモデルの学習・推論を行い、安全性・信頼性・主権性を兼ね備えた生成AI基盤モデルを実現しているという。また、SB IntuitionsのSarashinaを組み合わせることで、日本語の複雑な文脈や専門用語などを正確に理解し、高度な表現で運用業務を支援することが可能になったとのことだ。
加えて、2025年9月27日に東京都北区で開催された「北区花火会」の通信品質予測をLTMを用いて行った。当該エリアはトラフィックが集中しやすく、複数の基地局からの電波が重なるため、基地局の状態を1000件以上LTMに入力し、各基地局の接続数の変化などを予測した。当日の実測データと比較したところ、周波数ごとの通信品質を90%以上の精度で予測できることを確認したという。










