「西日本ネットワークの拡張へ投資継続」NTT東西とも協業するColtの新戦略とは

ハイパースケーラーからの強い要望に応える西日本ネットワークの拡張、エンタープライズ向けアクセス回線でのNTT東西との協業強化など、次々と新たな手を打ち続けるColtテクノロジーサービスが、企業戦略説明会を開催した。増強する日本国内のネットワークと国際ネットワークを強固に連携することで、「日本全国の企業がColt経由で世界に出ていく、その土台ができた」と、2026年以降のさらなる飛躍へ自信を見せた。

法人向けネットワーク、音声、データセンターサービスをグローバルに提供するColtテクノロジーサービスは2025年12月9日、企業戦略説明会を行った。COO(最高執行責任者)のバディ・ベイヤー(Buddy Bayer)氏は「通信市場のトレンドは常にダイナミックに変化している」と切り出し、特に成長著しい市場セグメントとして次の3つを挙げた。

COO(最高執行責任者)のバディ・ベイヤー(Buddy Bayer)氏

Coltテクノロジーサービス COOのバディ・ベイヤー(Buddy Bayer)氏

1つはセキュリティだ。サイバー攻撃の増加を受けて、年率43%で成長。中でも「量子セキュリティは2030年までに年平均50%で成長する」と見通しを述べた。

2つめは、XaaSである。「すべてがサービスとして提供・利用される」トレンドが加速しているとし、通信市場においても、NaaS(Network as a Service)が大きな事業機会となる」と話した。

NaaSは、ネットワークを利用するにあたって帯域や機能を必要に応じて柔軟に変更できるサービスのこと。2034年までの年平均成長率を23.3%とする調査結果を紹介した。

通信市場のトレンド

通信市場のトレンド

3つめに挙げたのはエッジコンピューティングだ。こちらも2033年までの年平均成長率は33.0%と高く、遅延の削減やとセキュリティ確保の観点から、エッジインフラの構築が進展すると話した。

日本から北米経由の欧州ルートを増強

Coltは通信インフラの増強に加えて、セキュリティやWi-Fi等のエンタープライズ向けネットワークサービスも拡充し、これら成長市場を幅広くカバーする方針だ。

ベイヤー氏は一例として、ノキアやハネウェル、東芝らとのパートナーシップのもと、耐量子暗号ネットワークの開発を進めていることをアピールした。

また、トラフィック需要の増大に応えるためバックボーンネットワークも引き続き増強。米国-英国間(6500km)では1波長当たり1.2Tbps、リスボン-マドリード間(950km)では1波長当たり1.5Tbps、東京-大阪間(650km)では1波長当たり1Tbpsと、テラビット級の光伝送ネットワークを稼働させている。

環太平洋、北米、太平洋横断ルートを増強

環太平洋、北米、太平洋横断ルートへの投資

なかでもインフラ投資を集中させているのが、環太平洋、北米、大西洋横断のルートだ。日本と米西海岸をつなぐ海底ケーブル、北米主要都市間を結ぶコアネットワークに投資。太平洋横断ケーブルとつないで、日本を含む東・東南アジアと北米、欧州を接続するネットワークの容量を拡張している。

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