KDDIは2013年10月28日、2014年3月期第2四半期決算を発表した。今年4月から9月までの上期の連結業績は営業収益が前年同期比18.0%増の2兆538億円と初の2兆円を突破、営業利益も同50.3%増の3476億円と増収増益だった。
KDDIの田中孝司社長 |
上期はスマートフォンへの移行が進みモバイル通信料収入が増加するとともに、連結子会社化したJ:COMが固定通信料収入の増加につながった。また、営業利益についてはJ:COMの影響を含まない「パーソナルセグメント」の通信料収入がモバイルの443億円と固定の188億円の計631億円増となり、増益全体の54%と大きく貢献したという。通期予想に対する進捗率は、営業収益が49.6%、営業利益が55.2%となっている。
モバイルと固定の通信料収入の増加が増益に貢献 |
モバイルについては各種指標も改善傾向にある。第2四半期のau通信ARPUは第1四半期より70円多い4180円で、2013年第4四半期を境に反転し前年同期比1.4%減まで回復している。また、データARPUは3180円で上昇率は14.0%と業界最高の伸びを記録した。データARPU増を支えるスマートフォンの同社のスマートフォン浸透率は42%で、「今年度末まで5割弱まで進むと予想している。将来的には8割程度になるのではないか」と田中孝司社長は見通しを語った。このほか、解約率は第1四半期からやや上昇したものの0.67%と業界最低水準を維持した。純増数は上期が134万台で、通期予想の230万台に対し進捗率は58.1%となっている。
auスマートフォンと固定回線のセット割引「auスマートバリュー」も着実に契約数を伸ばしており、現在540万件、世帯数は286万件。世帯内のau契約数は1.89件となった。田中社長は「2.5件まで拡大するのではないか」と予想する。また、「auスマートパス」の会員数は9月末現在799万人で、年度末の目標である1000万人に対し進捗率は53%と順調に推移している。付加価値ARPUは全体平均が280円、スマートフォンユーザーのみでは440円だが、さらにauスマートパスの会員に限ると750円となり、auスマートパスが付加価値ARPUの底上げにつながっていることがわかる。
auスマートパスが付加価値ARPUを底上げしている |
一方、auひかりをはじめとするFTTHは契約数を順調に伸ばし、上期の累計数は304万5000件、通期予想に対する進捗率は51%。auひかりの営業利益は黒字に転換しており、「増収が増益にダイレクトに結びつく状況になった」(田中社長)としている。
2013年度上期にauひかりは黒字に転換 |
なお、NTTドコモからiPhoneが発売された影響について「大きな変化はなく、MNPによるポートインは好調」だという。ただ、iPhoneの需給が改善していることに加えて、ドコモショップでの取り扱い店舗も増えることから、通期の業績予想は据え置いた。