ミリ波やAIロボットを体験できる「KDDI SUMMIT 2025」 GPUクラウドサービスも提供へ

KDDIは10月28日~29日にかけて、ビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2025」を開催している。ミリ波やau Starlink Direct、AIロボットなど、先端テクノロジーを体験できるデモが披露されている。また、同イベントでは、GPUクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」のトライアル提供を2026年1月より開始することも発表された。

au Starlink Directや陳列ロボットのデモを披露

ここからは、屋内エリアの展示の一部を紹介する。「ネットワーク・衛星通信」エリアでは、衛星とスマホと直接通信サービス「au Starlink Direct」に関する展示が行われており、X(旧Twitter)やGoogleマップなど、対応アプリが圏外エリアでどのように動作するのか、体験することができる。

au Starlink Direct対応アプリの動態展示を実施

「リテール」エリアでは、AIやロボットに関する展示が目立った。その1つが画像解析AIと陳列ロボットで、KDDIはローソンと共同でこれらを活用したリテールDXの実証に取り組んでいる。

具体的には、カメラを搭載したロボットが店内を動き回り、撮影した映像データをAIで解析して商品陳列棚の欠品を検知。これを受け、陳列ロボットが品出し業務を行うというものだ。両社はロボットやAIを活用し、2030年までに30%のオペレーション効率化を目指すという。

なお、陳列ロボットには、カメラ映像と言語指示からロボットの行動を生成するVLA(Vision-Language-Action)モデルが搭載されている。これにより、例えばパッケージ画像と賞味期限ラベルをセットで学習データとして与えておけば、「お菓子を品出しして」と指示するだけで、賞味期限が長い製品を奥に配置するといった動作が可能になるとのことだ。

イベントでは、陳列ロボットのデモが披露されている

また、KDDIとローソンは10月28日~12月26日にかけて、「AIグラス」を活用した業務効率化の実証を行う。AIグラスにはカメラが内蔵されており、そのカメラで取得した映像データをAIで解析し、作業内容や作業時間の可視化などに取り組む予定だ。

KDDIは、AIグラスを調理などの作業支援にも応用可能だと見ており、イベントのデモでは、「とんかつはどうやって揚げる?」という調理者の声をマイクが拾い、とんかつの揚げ方をAIグラスのディスプレイに表示する様子が披露されている。

AIグラスを活用した調理支援のデモ

GPUクラウドサービスを2026年1月よりトライアル提供

「AI・セキュリティ」ブースでは、2026年1月よりトライアル提供を開始するGPUクラウドサービス「KDDI GPU Cloud」の展示が行われている(本格提供は2026年4月から)。

同サービスは、AIデータセンター向けラックスケールシステム「NVIDIA GB200 NVL72」の計算資源をクラウドサービスとして利用できるもので、サーバー1台単位からクラスター構築まで、幅広いニーズに対応する。AIスタートアップなど、資金力に限りのある企業でもスモールスタートできるような環境を整えていきたいという。

また、KDDIの閉域接続サービスをあわせて提供することで、臨床試験データなど機密性の高いデータを社外に出さずにAI学習を行うことが可能になる。これにより、創薬向けLLM(大規模言語モデル)の開発などへも貢献できるとした。

2026年1月下旬からは、シャープ堺工場の跡地を活用したAIデータセンター「大阪堺データセンター」を稼働予定で、これを模したミニチュアモデルも展示されている。

大阪堺データセンターのミニチュアモデル

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