NTTドコモの上期決算は減収増益――iPhoneでMNPは改善傾向

NTTドコモは2013年10月25日、2013年度上期決算を発表した。営業収益は前年同期比0.4%減の2兆1990億円、営業利益は同0.4%増の4732億円と減収増益だった。ツートップ戦略による「メリハリのある」販売施策や端末原価の削減により営業費用を抑えたことが増益につながった。

NTTドコモの加藤薫社長

端末の総販売数は1047万台と前年同期より11.5%減少し、スマートフォン販売数も632万台と1.9%の微減となったが、スマートフォン利用数は同47%増の2157万契約と大幅に増え、パケット収入も同1.2%増の9493億円となった。スマートフォン販売比率は60%に達している。

新規販売数は342万台と前年同期並みだが、純増は24万にとどまり、下期は純増確保が課題となる。解約率は0.86%と上昇を続け、MNPによる他社への移行も39万件となっており、「厳しい状況と認識している」と加藤薫社長は語った。

下期は、ドコモからもiPhone 5s/5cが発売されたことで「競争環境が大きく変わると想定している」(加藤社長)。iPhone発売の効果はすでに現れており、発売1週目でMNPは33%改善し、spモードメールなど独自サービスの対応が拡充した3週目は54%改善した。こうした改善傾向は現在も続いているという。ドコモショップでの取り扱いも全国約2400店舗のうち当初の1050店舗から、10月28日には2350店舗とほぼ全店舗で取り扱えるようになる。

iPhone発売でMNPは改善傾向が見られるという

ドコモではiPhoneでMNPの流出を抑えるとともに、「デバイス」「ネットワーク」「サービス」「料金・チャネル」の総合力で競争力の強化を図る。

ネットワークについては、Xiの基地局は2013年9月現在3万7000局だが、2014年3月末までに5万局以上に拡大する。その内訳は、75Mbps以上対応基地局が現在の2万8000局から4万局へ、112.5Mbps対応都市数は180都市から300都市へと広げる。また150Mbps対応基地局は12月末に山手線全駅をカバーし、2014年3月末に500局、2015年3月末に2000局へと順次拡大する。700MHzの運用開始や独自技術の6セクタ基地局などで他社との差別化を図る。

150Mbps対応基地局は年度末に500局まで拡大

サービスについては、独自メニューを拡充する。「dマーケット」は、dビデオが446万契約、dヒッツが155万契約、dアニメストアが101万契約とこの3つのサービスだけで701万契約となっている。また同日、ABC HOLDINGSとの資本提携を発表した。らでぃっしゅぼーやなどグループ間の連携のほか、「教育・学び」を強化する狙いがあるという。

dマーケットの上期の売上高は270億円に

料金・チャネルでは、「iPhone買いかえ割」や「ドコモへおかえり割」など、多様なニーズに合わせたメニューを用意する。一方、チャネルについては、新たにiPhone専門のコールセンターを立ち上げた。顧客接点の場であるドコモショップは独自調査ながら総合満足度で1位となっており、「ドコモが長年にわたって築き上げてきた価値であり財産」(加藤社長)としている。

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