仮想化技術でAndroidが1台2役に! レッドベンドのBYODソリューションは何が違う?

携帯電話のソフトウェア更新に用いられるファームウェアの無線配信製品で知られるレッドベンド・ソフトウェア。同社は新たに1台のスマートフォンで公私を使い分けられるBYODソリューションで法人市場を開拓する。

――スマートデバイスの普及に伴い、BYOD(Bring Your Own Device)への関心が高まっています。今年2月に開催されたMobile World Congressで、BYOD向けソリューション「TRUE Solution for BYOD」(以下、TRUE)を発表しましたが、これはどのようなものですか。

シルビア TRUEは、ハードウェアに直接統合される仮想化ソリューションであり、1台の端末の中で業務用とプライベート用というようにAndroid OSを分けて実行できるものです。

一見すると、ホーム画面にウイジェットが配置されているだけですが、異なる2つのAndroid OSが搭載されており、それらを切り替えて利用できます。例えばプライベート用OSはAndroidの最新バージョンにアップデートする一方、業務用OSは会社のサーバーのみに接続し、会社が許可したアプリだけをインストールするなど、完全に使い分けることが可能です。

商用化の時期は未定ですが、当社ではサムスン電子と協力し、「Galaxy S Ⅲ」にTRUEを実装して法人向けのトライアルを予定しています。

レッドベンド・ソフトウェア
レッドベンド・ソフトウェア マーケティング担当 取締役副社長のロリ・シルビア氏(右)と、レッドベンド・ソフトウェア・ジャパン 代表取締役の藤村基晴氏

――仮想化OSを稼働させる技術にはいくつかのタイプがありますが、どのような違いがありますか。

シルビア 1台の端末に2つの環境を構築する「デュアル・ペルソナ」ソリューションは、主に2タイプに分類されます。1つはハードウェア上で仮想化OSを直接稼働する「タイプ1 ハイパーバイザ型」、もう1つは他のOS上で稼働させる「タイプ2 ハイパーバイザ型」で、TRUEは前者に当てはまります。

タイプ1はセキュリティ上、完全に分離できるという特徴のほか、タイプ2のようにホストOSに依存することなくアップデートやバージョンアップの追跡が行えるなどの利点があります。


図表 レッドベンドの「TRUE Solution for BYOD」
レッドベンドの「TRUE Solution for BYOD」

この他にも、MDMでプライベート領域と業務領域を分ける「エンタープライズMDM」や、業務用のアプリやデータをプライベート領域とは別に1カ所にまとめて利用する「コンテナ型」があります。これらの方式と比べると、タイプ1のTRUEは法人が要求するセキュリティは確実に担保しつつ、プライベート利用時の利便性を向上させる点で優れているといえます。

月刊テレコミュニケーション2013年7月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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