KVHは7月4日、セキュリティサービスを拡充した。今回強化されたのはまず、セキュリティ機器の導入・運用・保守などをワンストップで提供するマネージドセキュリティサービスである。提供するセキュリティ機器のラインナップが拡大された。
KVH 執行役員 システム&テクノロジー本部 本部長 濱田義之氏 |
従来から提供中の「マネージドファイアウォールサービス」と「マネージドIDS/IPSサービス」については、利用できる機器の種類が増えた。ファイアウォールは、「Juniper SSGシリーズ」に加えて、新たに「Cisco ASAシリーズ」をサポート。ジュニパーとシスコという異なるベンダーのファイアウォールを2段構えにして、さらにセキュリティを高める「デュアルレイヤファイアウォール」の構成も可能だという。
デュアルレイヤファイアウォールの構成例 |
また、IDS/IPSについては、これまでIBMの「Proventia Network IDS/IPS」を提供していたが、HPの「HP TippingPoint IPS」も選択可能になる。KVH 執行役員 システム&テクノロジー本部 本部長の濱田義之氏は、「ゼロデイ攻撃対策の強化を考えると、TippingPointが最適だった」と選定理由を説明している。
新規のマネージドサービスとなるのは、「マネージドUTMサービス」だ。ファイアウォールでも採用するジュニパーのSSGシリーズを利用したもので、DPI、アンチウィルス、Webコンテンツフィルタリングの機能が含まれるという。
さらに新規サービスとしては、「DDoSモニタリング・ミティゲーションサービス」も開始する。監視のみを行う「DDoSモニタリング」とDDoS攻撃を緩和する「DDoSミティゲーション」の2つのメニューから構成され、まずモニタリングだけ行うこともできる。
Webアプリケーション脆弱性診断サービス「KVH WebScan」の特徴 |
このほか、Webアプリケーションの脆弱性診断サービス「KVH WebScan」のUIやレポート機能などの完全日本語化、KVHが提供する全セキュリティサービスを24時間365日・多言語サポート体制で監視するセキュリティ・オペレーション・センターの提供も発表された。
WebScanは、システムによる自動診断と人手による手動分析を組み合わせたハイブリッド型のWebアプリケーション脆弱性診断サービス。「従来のコンサルティング型の診断と比べて費用は半分」と濱田氏はそのリーズナブルさをアピールしている。
KVHのセキュリティサービスのポートフォリオ。「赤」が今回拡張されたサービス、「青」が新規サービス、そして「グレー」は今後1年間で提供予定のサービスだ |
KVHでは引き続きセキュリティサービスを拡充していく計画。「マネージドWAFサービス」「マネージドTwo-factor authentication」「仮想ファイアウォールサービス」を今後6カ月から12カ月で提供する予定だという。